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カラ コロ カラ コロ
「やあ、人間の皆さん。
僕は、 ゲゲゲの鬼太郎です
数十年近く、父さんの大切な家族でもある鴉天狗のAさんと連絡が取れなくなってからと言うものの、父さんはまるでずっと上の空。
これはこの僕でもお手上げです。
どうしようもできません。
まあ、でもAさんのことだから、名を呼ばれていることに気づけない場所にでも何か悪い妖怪を封印しに行ってるんじゃ無いですかね? 」
階段を登り、家の中に入ると何やら手紙を持って肩を振るわせている目玉だけになった目玉親父の姿があった。
鬼太郎「父さん?どうかしましたか?」
息子に呼ばれ、はっ。と我に帰るとその目玉からポロポロと涙を流していた目玉の姿がいた。
すぐに涙を拭くが、それでも止まることを知らない涙。
鬼太郎は急いで駆け寄り、ちゃぶ台の前に座った。
鬼太郎「どうしたんですか、何か感動物のドラマでも見たんですか?」
目玉親父「ち、ちがうわ!
鬼太郎…わしは、ずっと黙っておったんじゃが
Aはのぉ、」
鬼太郎「はい、」
目玉親父は真剣な眼差しを鬼太郎に向け、今までお前に心配かけたくなくて黙っていたが。と話を切り出した。
ちゃぶ台の上に乗っていた手紙は風に乗りそのまま鬼太郎ハウスを出て行った。
その上空に飛んでいくと、その紙は空中に浮いたままになっていた。
『 我ながらいい文だろ。』
脇に抱えている男に視線を落とすと、その男はいまだにガタガタと体を震わせていた。
『…はぁ、これじゃあ空飛ぶ系の妖怪はダメだね。』
水木「自分で飛ぶのは問題ねぇけど!
こ、こう、お前のことを信用してねぇわけじゃねぇけど…
い、命握られてる感が……」
『……ふふ、』
悪巧みしてる表情を見た瞬間、水木は顔を真っ青にし焦り始めた。
水木「あ、お前っ!今、今!
落とすな!絶対に!」
ジタバタと暴れている水木を頑なに離さないよう力を込めつつ念動もかけ絶対に落ちないよう工夫を施していた。
『わかってますって。
さ、帰りましょうか
長々とここに滞在してたら五官王様に怒られてしまう。』
するりと持っていた紙は突然吹いた強風によってどこかへ飛んで行ってしまった。
『あ、では人間の皆様、
またお会いしましょう。
あら次はいつ会えるかだって?
…この世で自身の命が尽きたら。ですよ
では、またいつか会う日まで』
ニンマリ笑うと、2人の姿は一瞬で消え去った。
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作者名:わーい | 作成日時:2023年12月29日 7時