とある話 5 ページ6
あれから、湯を出てまた探し始めた。
真夏の暑い日照りの中も、暴風雨の中も、熱帯夜の中も、極寒の中も、寒く凍えそうな中、それでも足を止めることなく人型の足が凍傷してしまい、鴉天狗の足が出てしまってもなお、止めることはなかった。
あの寒さより、奥様がいないこの心地の方が寒かったから。
幾たびもの四季を乗り越えてきたころ、秋のちょうど良いと言った気温の中、岐阜県に入っていたのかなにやら視線を感じるようになった。
そんな視線もあの有名な鴉天狗の視線だといち早く気づいていた旦那様。流石でございます。
紅葉が色づき始め、人間達は落ち葉を拾って芋を焼いていた。
その芋がとても美味しそうで後で焼こうと話していた時だった。
三羽の鴉天狗が突如目の前に現れた。
ゲゲ郎「久しいのぉ、鴉天狗達」
鴉天狗「お久しぶりでございます、旦那様。
お忙しいところ誠に申し訳ありませんが、
大天狗様がA様をお呼びでございます」
ゲゲ郎「らしいぞ？A」
『……全然、顔を見せていなかったからですかね…
申し訳ありません、先に寄ってもよろしいでしょうか？』
ゲゲ郎「構わんよ。
ほれ、早く友に姿を見せてやるんじゃ。」
ボフンッ！とAの体に煙が上がると、術が解けたのか目の前にいた鴉天狗の3匹は立ち上がりAの手を掴み泣きながら再会を喜んでいた。
鴉天狗「A様だ！A様！」
鴉天狗「御帰宅、お待ちしておりました！
長年貯蔵してあります妖酒を是非！」
鴉天狗「待てお前達！A様困惑しているではありませんか…！」
わちゃわちゃと三羽は仲良く言い争いをしていると
ゲゲ郎は懐かしい瞳を向け微笑んだ。
旦那様、
今奥様の事を思い出しましたね。
私めもです。
私めも、今奥様と旦那様が仲睦まじく縁側でお茶を飲みながらお話ししている光栄が思い浮かびました。
嗚呼、奥様
お会いしたいです。
ご無事ですか
またお二人仲良く縁側でお話ししている御姿を拝見しとうございます。
Aの願いが届いたのか、
電線に止まっていた鴉達は泣き出した。
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わーい - ひあのさん» 返信遅くなり誠に申し訳ありません。ありがとうございます！早く完結できるよう頑張ります！ (12月13日 8時) (
レス) id: caa96760da (このIDを非表示/違反報告)
ひあの(プロフ) - めっちゃめっちゃ面白いです！！更新楽しみにしています！！！！ (12月8日 7時) (レス) @page4 id: 426f9a3d0f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わーい | 作成日時：2023年12月7日 8時
