とある家族の話 10 ページ38
そう言って、愛おしそうに見つめ鬼太郎の頬を撫でると蒼坊主に鬼太郎を渡した。
『ちゃんちゃんこ、戻っておいで。』
木の陰に隠れていたちゃんちゃんこは飛んでAの元に来ると申し訳なさそうにAの体を蛇のように包み始めた
『俺は幽霊族の血を継いでるものではないから、駄目だよ
もう二度と俺の指示に従ってはいけない。』
そう言いながら体から引き剥がすと鬼太郎の体に戻っていった。
切れている鼻緒を直し、鬼太郎の足に戻すとAの姿が薄くなっていった。
蒼坊主「おい、まさか！！」
『旦那様、何かあればまた名をお呼びください。
私めは、すぐに駆けつけます。今回のこの騒動も、後でトルネードと雷を発生させておきます故、水木様にはそうお伝えください。
あと、蒼坊主様』
蒼坊主「…んだよ、」
『よろしければ、今回の件貴方様のご活躍ということにしてください。
私めは、御子息様に嫌われておりますので。』
辛そうに笑ったAにかける言葉が見つからず、沈黙を貫き通していた蒼坊主。
そんな姿を見て、お優しい方、御子息様の兄として生きてほしい。とこぼしてしまった。
自分もそうしたかった、でもあの手この手を使って旦那様のご友人である水木様の死後を自分がやると言ってしまった。
だから、その願いは叶わない。
叶えることはできない。だからその代わり、
代わりに、居てほしい。
『また、お会いしましょう』
爽やかに笑ったAの姿は消えてしまった。
その瞬間一斉に鴉が飛び去った。
Aが座っていたところにあった血溜まりも跡形もなくなくなってしまった。
蒼坊主「……あの鴉天狗、只者じゃねぇな親父さん」
ゲゲ郎「今更知ったのか？
わしが一から育てた、優秀な妖怪じゃよ」
蒼坊主「かーっ、羨ましいぜ！
親父さんに育ててもらえるなんてな！」
ゲゲ郎「お主も一から鍛えてやろうか？」
せい、せい。と掛け声を上げながら正拳突きを披露すると蒼坊主は苦笑いを浮かべた。
その頃、森の中でトルネードが起き、雷が鳴り、その音を聞きつけた住民が辺りを散策すると一つの村の家が壊れているのを見て、トルネードによって壊されたと泣き寝入りする住民で溢れかえっていた。
町のご厚意により、そこに団地が建てられその町の住民はその団地に移住したとか、なんとか。
鬼太郎は、水木と共にいい機会だと、引っ越しをした。
蒼坊主はちょくちょく様子を見にいってくれているらしい。
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わーい - ひあのさん» 返信遅くなり誠に申し訳ありません。ありがとうございます！早く完結できるよう頑張ります！ (12月13日 8時) (
レス) id: caa96760da (このIDを非表示/違反報告)
ひあの(プロフ) - めっちゃめっちゃ面白いです！！更新楽しみにしています！！！！ (12月8日 7時) (レス) @page4 id: 426f9a3d0f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わーい | 作成日時：2023年12月7日 8時
