とある家族の話 5 ページ33
土をかぶせ、手を合わせ墓石をそこに立ていなくなろうとしたその瞬間、墓から鳴き声と共に小さな腕が現れた
おぎゃあ、あぎゃあ
その声と共に手が出てきた。そして積み重なった石が崩れ全身が。
栄養不足だったのか、左目は潰れていた。
『奥様と、旦那様の……』
ゲゲ郎「岩子の、子じゃ」
ああ、なんと愛らしい
髪型は旦那様と同じ、髪色は奥様
正真正銘2人の子供…
自然と、涙が流れ落ちた。
亡き奥様が腹の中で守っていた子供が今自力で母親のお腹を破って自ら生きようと現れた。
『なんと……愛おしい…』
ゲゲ郎「Aよ！
わし達の子、鬼太郎が10になるまでは一緒にいておくれ！」
『何故、10歳なのですか？』
ゲゲ郎「物心をついて離れていくものに悲しむ感情を抱くからじゃ、悲しみを、人の心を鬼太郎に教えておきたいんじゃ」
『……旦那様は、鬼太郎様を人間の子のように育てるのですか？』
ゲゲ郎「そうじゃ、人のために、悪い妖怪から人間を守る、岩子がそうしてきたように！」
『………』
ゲゲ郎「頼む！A
わしに、協力してくれんか！」
『10まで、です。
そしたら俺は、準備を始めます』
流石わしらの子じゃ！と血の繋がりもないのにもかかわらず、小指にだきついてくれた。
水木「誰か、いるのか？」
生まれたばかりの子供を抱きしめながら墓裏を覗きこちらに気付いたのかじっと見ていたが、数秒後にはウロウロと辺りを徘徊し始めた。
水木「懐かしい、声が聞こえた
…もしかしたらお前の父さんと母さんかもな」
そう言い、鬼太郎の指に触れると片方は嬉しそうに笑いながら水木の指を握った。
『……守らなければ、
今度は、零さないように』
ゲゲ郎「……わしらは、零されてなんかいない」
『え？』
ゲゲ郎「あんなに小さかったお前に、ここまで守られた。
ちゃんと、約束通り使命を果たしてくれている、
水木との約束も今も守っている、
それだけでワシらは十分だったよ」
『…旦那、様』
ゲゲ郎「だから、悔やまないでくれ
こうなったのは、誰のせいでもないんじゃよ
…しかたのないことだ。人間も悪くない、ワシらも悪くない
そういう時代だっただけじゃ」
『……、はい』
ゲゲ郎「よし、後をついていくぞ！
水木の家に住み着くんじゃ！」
『はい！旦那様』
水木が家に着いた瞬間姿を現すとさっきの！と叫ばれ、なんで目玉持ってるんだ！いつ来た！どうやってここが！急に現れた！と叫び散らかし気絶してしまったのは、3人だけの秘密話。
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わーい - ひあのさん» 返信遅くなり誠に申し訳ありません。ありがとうございます！早く完結できるよう頑張ります！ (12月13日 8時) (
レス) id: caa96760da (このIDを非表示/違反報告)
ひあの(プロフ) - めっちゃめっちゃ面白いです！！更新楽しみにしています！！！！ (12月8日 7時) (レス) @page4 id: 426f9a3d0f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わーい | 作成日時：2023年12月7日 8時
