とある家族の話 3 ページ31
『私は、Aと言います。
奇遇ですね、同じタイミングでため息なんて。
なにかあったんですか？』
水木という男は、信じてもらえないかもしれないけど、と話し始めた。
とある家に訪問した時に幽霊がいたとのこと
その幽霊は自分のことを知っているらしいが自分自身は何も覚えていない。
化け物が腹に子を孕んでいることを知り、上司にそれを伝えようとしたが、やめた。
そんな内容だった。
『何故やめたんですか？』
水木「……なんか、な
なんとなくかな
化け物はこえぇよ？！でもさ…なーんか、
なんか、わからない」
『わからない、』
水木「数日分の記憶がすっぽり抜けて、気づいたら白髪になってるし、傷の治りも早くなってるし、
おかしなことだらけ俺の体に起きてるから、
…だから、なのかな。
ずっと頭の中に誰かがいる気配がして。
…ずっと、そいつから助けを呼ばれてる気がして」
『……水木さん』
水木「…悪い、俺ばかり」
『いえ、俺が聞きたかったので』
水木「今回の件上には誤魔化して報告しとくとするよ、
化け物には化け物らしい生き方もあるしな。
…お前は、なんでため息…ってあれ？」
完璧に姿を消すと、水木はウロウロと周りを見渡していた。
水木「…怒って、帰っちまったか…
酒でも飲みながらとか思ったけど…ってあれ、
こんなこと、前にも…？」
頭が痛むのか、水木は眉間に皺を寄せながら頭を抑えそのまま家路と帰っていった。
『…ありがとう、水木様』
貴方に、託してよかった。
砂利道を歩き、奥様と旦那様が待っている家へと戻っていった。
たった1日、
1日だけ2人の目の前から消えた。
それで解決できたわけではない、
解決できるわけがない、でも
それでも、俺は
死を受け止めなければならない。
いずれ消えゆく命なのだから。
永遠などこの世にはないのだから。
きっと、いつか
また巡り巡って逢える日が来ると思えば、
先を、未来を歩いていける。
覚悟は決まった。
こんな悲しい結末になるとは俺は思っていなかった、こうなるとは思わなかった、ずっと3人で幸せに暮らせると思っていた、
2人が幸せに暮らせるよう
俺は奥様旦那様の先ゆく未来が幸せであるよう祈るしかできません。
どうか、閻魔様
私めの願いを叶えください。
私めをこき使っていただいてかまいません、
なので、どうか。
どうか、お二方に幸あれ。
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わーい - ひあのさん» 返信遅くなり誠に申し訳ありません。ありがとうございます！早く完結できるよう頑張ります！ (12月13日 8時) (
レス) id: caa96760da (このIDを非表示/違反報告)
ひあの(プロフ) - めっちゃめっちゃ面白いです！！更新楽しみにしています！！！！ (12月8日 7時) (レス) @page4 id: 426f9a3d0f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わーい | 作成日時：2023年12月7日 8時
