とある話 3 ページ4
ゲゲ郎「…A、やりすぎじゃよ」
あの爆音を聞きつけ、ゲゲ郎はやってきた。
真っ二つに割れた山を見てどこにその犯人がいるか探したが、どこにも見当たらず妖気も感じられず、周りの妖怪たちにも聞くが、急に風が吹き、山が真っ二つに割れた。と話していた。
すぐにその山を離れ、指笛を吹いた。
その音を聞きつけたのか、すぐさまゲゲ郎の足元に着地したのは鴉天狗だった。
昔から、うん百年と聞かせていた指笛。
この音が鳴ったらすぐに来いと躾をした。
少々手荒く躾けたかいもあり、ここ近年すぐに来れるようにまでなった。
『遅くなりました、旦那様』
ゲゲ郎「やりすぎじゃよ、誰が後始末するんじゃ」
『旦那様、私め共ではございません。
人間です』
泣いたのか、赤くなっているAの瞼にゲゲ郎は地面に膝をつきしゃがみ触れた。
Aは目を点にし驚き、数秒思考停止していた。
そんなAの姿を見てゲゲ郎はAの差に手を回し抱きしめた。
鴉天狗の羽根を撫でながらいつものような元気な声ではなく、それはまるで大切なものをなくしたような声でポツポツと呟いた。
ゲゲ郎「…悲しいのぉ、寂しいのぉ。
胸が、痛むのじゃ。
居ない、と。愛しの妻がいないと
穴が空いたように風がここを吹き抜くんじゃ」
今にも泣きそうなゲゲ郎の声を聞き、Aの両目からまた涙が溢れ出した。
子供のように泣きじゃくり、泣き喚いた。
そんな2人の姿を山の妖怪達も悲しそうに目を伏せ祈っていた。
お二方が大事にしている奥様が戻ってくるように。と、
いつしかAの姿は鴉天狗から人型へと戻っていた。
そして2人は何も言わずに立ち上がりこの町を出ていった。
もうここにはいない。
気配がないから。
そして、妖怪達も妻の姿を誰1人と見ていないから。
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わーい - ひあのさん» 返信遅くなり誠に申し訳ありません。ありがとうございます！早く完結できるよう頑張ります！ (12月13日 8時) (
レス) id: caa96760da (このIDを非表示/違反報告)
ひあの(プロフ) - めっちゃめっちゃ面白いです！！更新楽しみにしています！！！！ (12月8日 7時) (レス) @page4 id: 426f9a3d0f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わーい | 作成日時：2023年12月7日 8時
