とある家族の話 2 ページ30
北に着き、川辺にあるカエル捕まえて周りにいた妖怪に目玉を取ったカエルを投げ渡すとそれを喜びみんなもらっていった。
鴉天狗の加護もあの男に渡したままだし、どうせ俺の足枷のことも忘れてるだろうし、奥様の体のことも、きっと旦那様だって全身病に蝕まれてるだろうし、俺だけ顔に傷ついただけで無事だし、
結局俺は何も守れない。
守ることすらも許されてなかった。
俺だけ守られてる
俺だけ、何も返せていない。
『……食欲が、湧かないや』
最後の1匹のカエルを妖怪めがけ投げ捨てた。
袋にたんまりと溜まった目玉を手に持ち、妖怪横丁を探した。
街灯を見つけ、中に入ると妖怪達が住んでいる横丁だった。
きっとここは関東の妖怪横丁の入り口だったのだろうか、砂かけばばあがいた。
『ごめんなさい、いもりはどこに売ってますか？』
砂かけ「珍しい、人間か？」
『いえ、鴉天狗です。』
砂かけ「へぇー、変化の術かい
よくできてるねぇ。
いもりならあそこのが美味しいよ
買い出しかい？」
『…そんなところです。
ありがとうございます』
砂かけ「親父さんは元気かい？」
『…親父、さん？』
砂かけ「おや、違ったかい？
ああほら、あんたがよく言う旦那様じゃよ！
最近顔見ておらんから元気かみんなで話しておったんじゃよ」
『……ごめんなさい、俺の口からは何も…言えません』
砂かけ「どんな姿になっても良い、いつでもここにきていいと伝えといてくれんか？」
『…はい、お伝えしておきます』
お辞儀をし、教えてもらった売店に行きヤモリの天日干しを4本購入し、横丁から出ていった。
あれだけ探していた奥様が、稚児を産めば死ぬ
そんな現実受け止めたくない
でも2人は産む覚悟を持っている
『…ぐすっ、』
俺だけ、俺だけが覚悟できてない
俺だけ。
また独りだ、
川辺に腰掛けため息をついた。
新鮮なうちにカエルの目玉を食べさせてあげたいのに
帰れない
足が重い
「『はぁ』」
隣を振り向くと、そこにいたのは白髪のスーツ姿の男
こっちに誰かいるのに気づいたのか、それともため息になのか、こちらをじっと見て笑った。
「ため息かぶりましたね」
『ぁ、は、はぁ…』
「急にすみません、
水木って言います。貴方は？」
……忘れてるのか、
それもそうか、あの白髪の心が壊れたジジイも記憶忘れてたしな。
どうせ、足枷のことすらこの男は忘れているだろうな。
いや、それはもうどうでもいい、あんな会話真に受ける方がおかしいのだから。
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わーい - ひあのさん» 返信遅くなり誠に申し訳ありません。ありがとうございます！早く完結できるよう頑張ります！ (12月13日 8時) (
レス) id: caa96760da (このIDを非表示/違反報告)
ひあの(プロフ) - めっちゃめっちゃ面白いです！！更新楽しみにしています！！！！ (12月8日 7時) (レス) @page4 id: 426f9a3d0f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わーい | 作成日時：2023年12月7日 8時
