とある話 22 ページ24
壁に叩きつけ、振り下ろそうとしている姿を見て急いで狂骨の顔に張り付いた。
ゲゲ郎「どくんじゃ！」
『旦那様！！』
背に乗っていた旦那様を振り落とし、組紐を手繰り寄せ首を締め付けた。
背にガンガン当たっているが、痛覚が麻痺っているのか痛みすら感じなくなってきた。
貴方様がいなくなってしまったら、
誰が稚児を抱きあげるのですか…！！
『死ぬのは俺だけでいい！
死ぬのは、俺とお前だけで十分だ！！』
組紐を引き上げ穴に狂骨を嵌めることはできた。だがそれだけで終わった。引き上げようと壁に足をつき思いっきり引き上げようとしたが逆に引かれ思いっきり壁に叩きつけられそのまま逃げる隙も与えられずに鋭い爪で左翼と肩、左側の臓器を巻き込み突き刺された。
『ぐっ、がは…、』
引き抜かれ、死にかけている奴には興味がなくなったのか、地面に立って見上げている新しい目的に体を反転回させた。
壁に落ちぬようへばりついていたが、流れ落ちる血と共に力が入らなくなり地面に落ちた。
『……お、く…様……、』
ごめんなさい、
こんな力だけじゃ守れないと
でも強いとも思っていた
他の鴉天狗より劣っている部分がなかったから。
逆に俺は優れていると思っていた。
才能があると勘違いしていた。
それなのに、このザマだ。
探して、探して
見つけて、守れなくて、呼ばれたのに来るのが遅くて、
結局、
結局俺は、何も守れない。
2人を見守って、守ることすら
俺は、
俺は、こんなところで終わる鴉天狗じゃない。
土を握りしめながらゆらりと立ち上がった。
血だらけで、もうすでに戦える体ではないというのに立ち上がるしかなかった。
『……死ねない、俺は
俺は、死ねない』
時貞「死にたがりが。 狂骨！！」
俺は、果たさなければいけない。
守るべきものが、今目の前に
揃っているのだから
急激に上がり始めた妖気にゲゲ郎と時貞は目を見開き驚いていた。
その瞬間時貞の後ろから現れたのは血だらけで今にも倒れそうな水木の姿だった。
『死ぬのは、俺だけで十分だろうに、
無茶するわ、困るよほんと』
水木「へっ、お互い様だろが…。
それにな、時貞さんよ
俺はあいつと短い間柄だけど仲良くさせてもらってたよ
痛みつけたこととその他諸々のツケ、
払わねぇなんて言わせねぇよ」
斧を振り下ろすと、依代である骸骨はたたき割れ、粉々に消えていった。
水木「はは、はははっ！！」
時貞「き、貴様！！こんなことして！無事に…！！」
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わーい - ひあのさん» 返信遅くなり誠に申し訳ありません。ありがとうございます！早く完結できるよう頑張ります！ (12月13日 8時) (
レス) id: caa96760da (このIDを非表示/違反報告)
ひあの(プロフ) - めっちゃめっちゃ面白いです！！更新楽しみにしています！！！！ (12月8日 7時) (レス) @page4 id: 426f9a3d0f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わーい | 作成日時：2023年12月7日 8時
