とある話 20 ページ22
ゲゲ郎「Aっ！！」
水木「A！！」
父が、予言していたのはこの時なのだろうか。
奥様も見つかっていないのに、
俺は、ここで死ぬのか。
奥様、
奥様…！！
翼は持ち上がると一つ一つの羽根が鋭くなり始めた。
一気にこの穴蔵内に妖力が上がり始めた。
それはAの姿が目に見えぬ時貞も感じ取ることができるほどだった。
時貞「この威圧は、鴉天狗が出してあるのか！
良い良い！ものすごく強いものを感じるぞい！」
『……せろ、
会わせろ、
奥様に、
旦那様の奥方に！！』
あわせろ。
ゲゲ郎「妻は、妻はどこじゃ！！」
時貞「いるだろう、目の前に」
『は？』
時貞「その桜の木、赤く染まっておるのはーー」
お前の妻の血じゃ
急いですぐそばまできていた狂骨を薙ぎ払い池に旦那様と共に飛び込んだ。
バシャバシャと音を立てながら根に絡みついている屍をどかしながら奥様を探した。
根をどかしても、どかしても。
見つからない。
どこにも、どこを探しても
潜っても、切り落としても、
『奥様、奥様！！
どこに、どこに！！嗚呼、奥様！！！』
すぐ近くに居るはずなのに、気配のひとつも感じられない。
水木も飛び込み、木の真後ろに社のようなものがあり中を開けると龍の口から血が今も流れ落ちていた。
今も奥様の体から血が抜かれていることがわかり、急げと急かされた。
水木は持っていた斧を振り下ろし根を切り探し始めたが、ここは幽霊族の血だ。
たかが視えるだけの人間の水木に呪いの耐性はない。
血を浴びて、瘴気に当てられて、無事なわけがない。
『やめろ、水木様
あなた、普通の人間なんですから』
水木「黙って見てろなんて言われてもなぁ！
必死こいて探してたひとが目の前にいるって言うのに！
黙ってそこに座ってまってろなんて言われても！！
お断りだ！！」
『…みず、きさ…ま』
水木「今も、血が抜かれてるんだ。
俺の体なんかよりも大切な人を探せよ！」
時貞「…あぁ、そんなに桜を傷つけるな。
ほれほれ、今出してやるから…」
上に引き上げるジェスチャーをすると、池の奥底から枝が現れた。
そこにいたのは、変わり果ててしまった奥さまの姿だった。
必死こいて探した奥様は、目が腫れていて、写真の中の奥様とは変わり果ててしまっていた。
『お、くさ…奥様、奥様…！』
ゲゲ郎「あぁ……、妻じゃ」
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わーい - ひあのさん» 返信遅くなり誠に申し訳ありません。ありがとうございます！早く完結できるよう頑張ります！ (12月13日 8時) (
レス) id: caa96760da (このIDを非表示/違反報告)
ひあの(プロフ) - めっちゃめっちゃ面白いです！！更新楽しみにしています！！！！ (12月8日 7時) (レス) @page4 id: 426f9a3d0f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わーい | 作成日時：2023年12月7日 8時
