とある話 2 ページ3
あれから、奥様が行きそうな場所を探し歩いた。
山の中、近くの妖怪たちにも話を聞いた。
それでも見つかることはなかった。
最後に向かった場所は、奥様と旦那様がよく通っていたクリームソーダを売っている遊園地。
回る観覧車があり、それを見て興奮をし走ってきた子供が転けた時に手を差し伸べた心優しき奥様。
そんな奥様が急に消えるなんてことは、ありえない。
『奥様…、どちらにいるのですか』
歩き歩いた足は棒のようになり曲がらずそのまま山の土だらけの場所に倒れ込んだ。
『奥様……、
心優しき、慈悲深きお方……、
私めがお守りすると……』
地面の土を握りしめると、背中から突如として現れた鴉天狗の立派な翼。
バサッ、バサッ！と羽ばたかせると周りの木々は強風により激しく揺れ始めた。
人型が維持できなくなり、徐々に徐々に本体が現れ始めた。
『私めがお守りすると誓ったのにッ！！！』
突如飛び立つと腰に吊るしていた太刀を引き抜き森目がけ叩き落とした。
森は見事に真っ二つに割れ、その日の朝のニュース、新聞紙一面に怪奇現象と題がつき話題になったのは後の祭り。
両の瞳からこぼれ落ちる涙。
それを両手で塞いでも止められない。
『奥様、ふぇえん、奥さまぁ！！
私めは、私めはお会いしとうございます！！
どこにおられるのですか！！
どちらにいってしまわれたのですか！！
お会い、したい…、会いたい、です…』
こんな出来損ないの鴉天狗に救いの手を伸ばしてくれた奥様に……
お会いしたいだけなんです……
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わーい - ひあのさん» 返信遅くなり誠に申し訳ありません。ありがとうございます！早く完結できるよう頑張ります！ (12月13日 8時) (
レス) id: caa96760da (このIDを非表示/違反報告)
ひあの(プロフ) - めっちゃめっちゃ面白いです！！更新楽しみにしています！！！！ (12月8日 7時) (レス) @page4 id: 426f9a3d0f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わーい | 作成日時：2023年12月7日 8時
