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とある話 10 ページ12

電車を降りると、山を登りながらあちこちにいる妖怪に声をかけ始め写真を見せ奥様を探し始めた。

夜行電車に乗り、もうすでに今は朝で日差しが暑くなり始めていた。

『旦那様、一度木陰で休みませんか?』

ゲゲ郎「じゃが、すぐそばに妻がおるかもしれん」

『…そしたら私めは上から探します』

ゲゲ郎「気配は、完全に消しておくんじゃよ」

『承知、何かあり次第指笛を』

ゲゲ郎はわかったのか小蝿を払うように手をしっし、と手を振るとAは姿を消し空を飛んだ。

人型に化けていても、翼を出さずに空を飛べるようになって早数百年。
必死こいてこの形を維持したまま空を少し飛べるようになった時、旦那様と奥様はとても喜んでくださった。

大袈裟と言っていいほど夜通し騒ぎまくりめちゃくちゃ恥ずかしい思いをしたのを思い出した。

妖気を探るが、気配すら感じない。
あの鴉天狗が言っていたことは嘘だったのか?
少し奥に向かうと何やら孤島が見えた。
そこから発されている以上な妖気に一歩後ろに下がるほど。

だがそこからも奥様の気配は微塵も感じなかった。
感じたのは、憎悪。

『…おかしい、この村』

今まで見てきた村と異常に格差がある。
ここは何か隠している。

気配はないが、ここにいるかもしれない。

『奥様、名を

私めの名をお呼びください』


澄んだ空気が流れていた。

名を呼ばれることも、指笛が吹かれることもなかった


『…お会い、しとうございます。
お会いたいんです、奥様
私めの声が届いておらぬのでしょうか…?
奥様…!』

悲痛な叫びはこの広大な空に吸い込まれ消えていった。
周りのカラスが騒ぎ出し、村にいた人達は何やら騒ぎ始めた。

村人「た、祟りじゃ…」

村人「しっ!」

村人「で、でも!」

村人「聞かれたらどうなるかわかっているでしょう!
家の中は言ってなさい!」


『…祟り、
何かしてるのか、だから怯えてる』

これは、本当に何か
この村は何かを隠している

早く、見つけないと

ぞわぞわと肌に何かが這った気がした。
心臓も、ざわざわしてる。

生まれて初めての、感情だ

これは、恐怖 か?

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わーい - ひあのさん» 返信遅くなり誠に申し訳ありません。ありがとうございます!早く完結できるよう頑張ります! (12月13日 8時) (レス) id: caa96760da (このIDを非表示/違反報告)
ひあの(プロフ) - めっちゃめっちゃ面白いです!!更新楽しみにしています!!!! (12月8日 7時) (レス) @page4 id: 426f9a3d0f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わーい | 作成日時:2023年12月7日 8時

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