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戸惑う迅を、カティは無遠慮にじろじろと眺めまわす。迅はそれにぎこちない笑みを返しつつ、この状況をどうすべきか未来を探っていた。
どうやらAはしばらく戻ってくるつもりがないらしい。どういう魂胆かはわからないが、迅はそれが意味のある行動だろうとわかっている。とりあえずは流れに身を任せることにした。
「あー……、カティ？」
「Aはああ言ったが、私は愛称をA以外に呼ばせるつもりはない。お前がAのお気に入りだろうと私は贔屓などしない。それからお前と仲良くする気もない。とにかく調子に乗るな、私に関わるな」
早口で告げられた内容を要約すると、どうやら「恥ずかしいからゆっくり仲良くなろうねっ☆」ということらしい。迅は人の嫌がることをしたくはないので呼び方は「カタリナ」に改めようと思うが、関わるなという要望に応える気はない。
「じゃあカタリナ」
「気やすく呼ぶな！」
「あのさ、Aさんがなんでおれをカタリナに会わせたのかわかるか？」
「……なんでAのところのガキはこうも人の話を聞かないんだ……」
カタリナの言っていることが迅には理解でき、迅は「あははー……」とぎこちなく笑った。
カタリナが指している「Aのところのガキ」とは、十中八九迅と小南のことに違いない。そして今回小南がおらず迅がカタリナの相手をしているということは、カタリナと小南の相性が最悪だったからだろうと迅は予想がついた。いがみ合っている二人の姿が容易に目に浮かび、迅は苦く笑う他ない。
迅がカタリナを上目遣いで窺うと、カタリナははぁとため息を吐いて、「まあこっちはしおらしいだけマシか」と独り言ちた。確かに小南に「しおらしい」の言葉は最も似合わない。
「……Aがお前を私に会わせたのは、お前を護るためじゃないか？ お前は特殊らしいな」
「特殊……ああ、未来視か」
「Aはずいぶんお前に肩入れしているみたいだね。あのキリエとかいうガキにはここまでしなかった」
「え？ 小南とも会ったんじゃないの？」
「会ったには会ったが、それはあいつが勝手についてきただけだ。今回は頼まれたからここにいる」
カタリナが不満そうに吐き捨てる。彼女にしてみたら迅に会うのも不本意らしい。仕方なく、というオーラが身を包んでいる。
迅はどちらかというとカタリナのために会っているのだと思ったが、どうもそれは違うらしい。この分じゃレイジさんまで回ることはないなと肩を竦めた。
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ノア(プロフ) - Noahさん» あいしてます (2021年9月21日 17時) (
レス) id: dd57ce1718 (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - 金の帳さん» ありがとうございます。迅さんカッコいいですよね！ 続編もよろしくお願いします。 (2021年9月21日 17時) (レス) id: dd57ce1718 (このIDを非表示/違反報告)
Noah(プロフ) - すきです (2021年3月20日 2時) (レス) id: 3eb26abe40 (このIDを非表示/違反報告)
金の帳 - めっちゃおもしろいです！迅さんはやっぱりかっこいいですね！更新楽しみにしてます！ (2021年2月8日 23時) (レス) id: 1e8abd378d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ノア | 作成日時：2021年2月7日 10時
