【wrwrd】天使魚《ｷﾐ》の手で主役救え２【異種族パロ】

紫の墓守と水の狗 ６ ページ15

あれは話を理解してもらえず悲しんでいる、それだけの理由で出るほどの軽さじゃなかった。





「何を調べているんだ？
それは、教会か。人間は教会で結婚式を挙げるらしいな。式場探しか？」


隣にストンとグルッペンさんが座る。



パソコンを挟んで向かい側に座っているゾムが鋭い視線を投げかけているが恐らく無視するのが吉だ。



「まぁ文化的にはそうだと思いますけど、そういう意図で見てた訳じゃないです。」


グルッペンさんのことも適当にあしらい、もう少し詳しく書かれている記事がないか探す。



なんでホームページもツイッ〇ーアカウントも作ってないんだよこの教会！
あっても大した情報にはならない確率の方が高いけど。






「その教会について知りたいのか？
私が国の機関内で聞いた噂で良ければ話せるが。」


じーっとパソコンの画面を見ていたグルッペンさんが不意に口を開いた。



な、なんだその魅力的な話は…！



「教えてください！」
「ただし」


聞かせて貰えるようお願いしようとしたら食い気味に言葉を被せられる。





「俺にもタメ口で話せ。敬語をやめろ。あと『グルッペンさん』も禁止や。」


青の奥に赤が混じり、夕暮れのような瞳で真っ直ぐに見つめられる。





ホント、悔しいほど綺麗な瞳。




私の肩口と向かい側からは「呼ばなくていいぞー」だの「交換条件なんて卑怯やぞー」だの聞こえる。



この人と仲を深めるのは躊躇う所があるけど、情報を得るためだから仕方ないか。




「えぇ、じゃあグルさん？」



「トン氏と同じじゃないか。」



「グルちゃん？」



「やめろ。」



「んんー？グル氏？」



「違うやつ。」


ワガママだなぁ。




「グルッペン。これ以上は思いつかないよ。」



「まぁ良しとするか。」


少し不服そうに頷かれる。




「これで、教えてくれる？」



「そういう約束だったからな。

噂と私自身の持つ知識を合わせながら話すぞ。」



「うん。お願い。」





グルッペンが語ってくれたのは以下のような内容だ。


･あそこは昔から独自で異種族を集めて無断で利用、処分を繰り返していた

･何度も秘密裏に結成されていた国の機関である異種族研究本部の人から注意をされているが全て無視している

･あそこの神父に買われたのはケルベロスとヘルハウンドで名前はコネシマとショッピという

･墓守という名目で買われたが実際には何をされているかわからない

紫の墓守と水の狗 ７→←紫の墓守と水の狗 ５

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す