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３０分後

我を取り戻したあたしは、氷枕やタオルを用意しなきゃと立ち上がる


・・けど、何かに引っ張られた反動でヒョクの腰にもたれ掛る



「え・・」


その方を見れば、


ギュッと掴んだまま離れないヒョクチェの手



EH「・・そばに、いて」


「・・へっ」


強く握られた手は、何をどうしても動くことはなく


仕方なく、ヒョクの方を向いて座りなおした



「・・大丈夫。どこも行かない」


EH「・・ありがとう」



ヒョクチェの頭をそっとなでる


・・と、また一瞬で眠ってしまった



ピンポーン・・


あ、ドンへだ


出るに出れない状況に、どうしようと考えていれば


やっぱりドンへだ。「Aー？」とわたしが返事をする前に上がり込んできた



「ドンへ」


DH「大丈夫？」


「ごめんね、」


DH「何言ってんの。こっちこそだよ」




ヒチョルひょんが丁度イライラしてきた頃だったから、助かったー。と大きな口で笑う



DH「それで？傍にいるついでに手まで握って？」


「あ・・一度握ったら離してくれなくなっちゃって」


DH「ふーん・・どさくさに紛れて、変態にぼし」



わけの分からない文句を言いながらも、ヒョクの手から私の手を離す


ひょいっ、と軽くヒョクを抱えて寝室に向かった



DH「寝かせてきた」


「・・ありがとう。助かった」


DH「それにしても・・あいつ、少し痩せた？」


「え？・・やっぱり？」


DH「うん」


「ちゃんとご飯食べてないのかも・・時間帯合わなくて、ご飯の面倒見きれてないの」



申し訳なさそうに頭を下げると、大丈夫、とわたしの肩を撫でる



そっと顔を上げると、優しく笑うドンへ


その笑顔で不覚にもドキンと高鳴る心臓




DH「家政婦じゃあるまいし、それはAの責任じゃないよ」


「・・うん」


DH「・・それに、仕事疲れだけじゃないかもしれないし」


「え？」


DH「・・・」


「それ、どういう事？」


DH「その様子じゃまだ言ってないんだな、ヒョク」



何故か悲しそうに笑うドンへ


この表情、あの時のヒョクと似てる


暫く彼女はいらないと言ったあの時と




「・・ヒョク、恋愛で何かあった？」


DH「えっ？」



図星なのか、ドンへは目を丸くした



「前、彼女いるの？って聞いたら、暫く要らないって」


DH「・・・そう」


「・・・なにか、会ったのね」


DH「俺の口からは言えないけど」


「・・・・」



ドンへのその言葉になぜかため息がこぼれた




　

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