百九十八歩 ページ43
魔法薬学の授業です。
何と今回は先輩と一緒です。
｢…何て日だ｣
｢それはこっちの台詞よ｣
絶望する俺と嫌悪感剥き出しのヴィル先輩でお送りします。
…何でこうなった。
クルーウェル先生の指示なんですけどね。
魔法薬学バッドボーイの俺に魔法薬学グットボーイのヴィル先輩。
｢成程、毒を以て毒を制すと｣
｢アンタ、殺されたいの？｣
｢滅相もない、生きたいです｣
｢ならちょっと黙りなさい｣
仰る通りです。
始まる前から俺の心終了しそう。
｢まぁいいわ、始めましょう｣
｢はーい…ヴィル先生、今日は何を作るんですか？｣
｢お料理番組じゃないわよ…他人種に変装する薬ね、変身薬の一種だわ｣
｢変身薬って禁止薬なんじゃないでしたっけ？｣
｢他者に成り代わるものでなければ合法よ、アンタん所の人魚だって使ってるでしょ｣
｢確かに｣
尾ヒレを足に変えて、エラ呼吸から肺呼吸に変えて、か。
変身にも色々あるって事かー
｢アンタ本当に大丈夫？ミドルのガキでも知ってるわよ｣
｢はは、ヤバいです｣
｢やめてよ、アタシの評価にも関わるのよ？｣
｢気をつけます、余計な事はしません｣
｢指示された事だけしなさい｣
｢はい｣
ガチで余計な事すんなって顔されたらちゃんと返事返しますよね。
ふざけません、ちゃんとします。
｢アンタは器具を確認して、私はクルーウェル先生から薬品貰ってくるから｣
｢了解です｣
器具に不備があって、実験中に何かあったら困るからね。
もしもガラスが飛んだりして先輩の顔に傷でも出来たらそれこそ世界的な損失ですから。
その時は俺が身を呈して守る…必要ねぇか、あの人強いし。
｢A、ちゃんとやってるかい？｣
｢リドル君…ちゃんと器具の確認してます｣
｢不具合があってはいけないからね、大切な事だ｣
｢ヴィル先輩の教えの通り、今日は確りやりたい所存｣
｢あぁ…バディはヴィル先輩なのか、なら心配はないね｣
｢俺が余計な事しなきゃ大丈夫｣
｢君は別に余計な事するタイプじゃないだろう？｣
そうでありたいと何時も思っています。
リドル君にはそう思って貰えてるの、凄く嬉しい。
へらりと笑う俺にリドル君も笑ってくれた、優しい。
｢リドル君は誰と一緒なの？｣
｢ケイトだよ｣
｢わぁ、楽しそうだね｣
｢楽しいもんか…寮長として確り監視しないと｣
｢はは…大丈夫だよ、リドル君いるし｣
やる時はやる男なんですよ、ケイト先輩は。
それはリドル君もわかってるから少し顔を顰めるくらいで済んだけど。
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きない(プロフ) - 星猫さん» 弟さんいらっしゃるんですね^^すみません、アニメもあまり見ていないので最近のものはわからないです。 (2021年2月26日 9時) (
レス) id: 34ae6966a1 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 弟のｐｃは貸してくれました。知ってるアニメは何ですか？ (2021年2月25日 12時) (レス) id: 7d3fe1e696 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きない | 作成日時：2021年2月4日 9時
