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百六十七歩 ページ39

もう一度会場入りしなきゃいけないの何でだろぁ?
チケット要らんのよ、朝パス貰ったから。
でも何でかマレウス先輩に同伴してるんです今尚何で?
…まぁいいんだけどさ。
観客席に悠然と座る先輩のそばに寄る人は少なく、皆遠巻きにヒソヒソはしている。
堂々としている先輩だが、ちょっと寂しそうではある。
仕方ない、貴方の立場を思えば、仕方ない。
リリア先輩達はまだだろうか、早く俺はこの窮地から逃げたい。
居心地が悪いんです、とても。

「あ、アズール君達だ」

目を泳がせていたら、ちょっと離れた所からでもわかる三人組が目に入った。
俺の言葉にマレウス先輩も彼等を見つけたようでそっちを見た。
ジェイド君、部員一人なのに来て平気なの?
この時間はブース閉めていいんだっけ、わかんねぇや。

「仲がいいな、彼奴らは」
「先輩の所も大概だと思いますけどね」
「僕の所は意味が違うだろう」
「そうですか?あんま変わんないと思いますけど」

主従もあるんだろうけど、普通に仲良しに見えるし、つか親子感出てるよね。
従者が子供扱いされてんのなかなか面白いよ。
逞しくても実際子供だからそうなるんだろうけど。
舞台の袖でオレンジっぽい色が見えた気がして凝視すれば、レオナ先輩だった。
ラギー君やジャック君達もチラチラ動いてるのが見える。
設営係、大変そうだなぁ。

「ちょっと用事出来たので行ってきます」
「…あぁ、わかった」

そう言った先輩もレオナ先輩達に気づいたようで、機械の事はわからない、とぽつりと呟いていた。
先輩にもできない事があるとか、ちょっと安心するよね。
犬猿の仲のくせに申し訳ないと思ってるのか、それとも何とか出来そうなレオナ先輩にギリィッとなってるのかはわからんが。

早足めに通路を歩いていると、リリア先輩達と擦れ違う。
マレウス先輩は悠然と座ってる事を伝えると、セベク君が競歩並の速度でそっちへ向かっていった。
慌てて追い掛けるシルバー君に笑いながら、リリア先輩はゆったりとした足取りで二人を追っていった。
本当に仲良しである。
関係者パスを見せて裏に入ると、サバナクローの連中が慌ただしく動いていた。
クラスメイトを見つけて声をかければ、データだけがまっさらに消えていたそうで。
はぁ…側は直せても中は無理って事か。
うん、でも十分怖い。

「あれ、A君?」
「ラギー君、お疲れ様」
「何してんスか?こんなとこで」

出場者は控え室ッスよって、俺は出場者じゃないんだが。

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作者名:きない | 作成日時:2021年1月13日 18時

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