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百五十六歩 ページ28

総合学園祭当日はVDCの手伝いしなくていいそうで、軽音部に参加する事になった。
リリア先輩もヴィル先輩に言ってくれたみたいで、放課後に練習する時間も貰えた。
忙しかったけど、楽しくて疲れなんて忘れたね。
ケイト先輩も三人で出れてよかったーと喜んでくれた。
色んな人に声を掛けては振られたらしい。
トレイ先輩誘った度胸には頭が下がる。
あの人の歌めっちゃ面白いらしいじゃん、聞きたかったー(ジェイド君がそれはもう素晴らしかったと満面の笑みで教えてくれたあの日を俺は忘れない)

開場まであと一時間、いい加減着替えに行かないといけないな、なんて思いながら、俺は山を愛する会の展示ブースにいた。
居たというか連れてこられたというか、何か気づいたらここに居たというか。
朝オンボロ寮で皆を見送った後、オクタヴィネル寮に行ったら丁度出ようとしていたウツボに見つかって連れてこられた、んだと思う。
いや、そうなんだけど。
ペラペラ話すジェイド君に相槌打ってる間にフロイド君に担がれて、気づいたら連れてこられてた。

「…俺、そろそろ軽音部の方行くね」
「そうですか、僕は観に行けないですが楽しんで来てくださいね」
「有難う、ジェイド君」
「俺観に行きたーい」
「ドリンクサーバー背負って観に来なよ」
「はぁ?それ仕事じゃん」

すげー嫌そうな顔すんじゃん、仕事だよ?
そんな話をしていたら、実行委員長が人を率いてやって来た、アズール君みたいじゃん草。

「Aさんここに居たんですね」
「気づいたらここに居た」
「連行されたんですか」

全てを察して笑う監督生に肩をすくめる。
聞こえてたのか、トレイ先輩も苦笑いである。
リドル君は相変わらずフロイド君に絡まれてて…可哀想です、やめたげて。
ブナシメジが如何に美味くても生はダメだよ。

「俺も子供の頃は石ころも草も面白かったなぁ…」
「そういえばAは山育ちだったね」
「うん、草笛作ったり、色んな形の石拾っては色付けてみたり…自然から玩具探して遊んでたよ」
「のびのび育ったのがよく分かるな」
「それを17歳が全力でやってるのが山を愛する会…」
「監督生シッ!」

陸生活二歳児だから良いの!

「楽しいなら良いと思うよ?海の人が山に興味持ってくれるのは山の人としても嬉しいし」
「では今度Aさんのご実家に是非招待してください」
「え、俺も行きたーい!」
「ごめん、うちの天井低いから180cm以上の人は入れないかな」
「ドワーフだったのかい、君は」

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作者名:きない | 作成日時:2021年1月13日 18時

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