（２７７）とりあえず ページ49
おもむろに手を取り、体温を測ってみる。
チトセ「ずいぶん冷えてるな。頭に雪も積もってたし、長い時間あそこにいたんだろう。北海道はほぼ年中寒いようなものだ、とりあえず温かい飲み物を……」
俺が後部座席から荷物を取ろうと振り向けば、目の前に魔法瓶が差し出されていた。
差し出す人物は、思いもしない奴だった。
チトセ「……ショウ？」
聖羅「…………」
少し間が空いてポカンとしてると、ショウはさらにずいっと押し出してくる。
チトセ「……わ、悪いな。ありがとう」
すぐ受け取れよ、と言わんばかりに溜息をつかれ、ショウは自分の席に寝転んで音楽の続きを聴き始めた。
……しまった。ぼんやりしてる場合じゃない。
俺は魔法瓶を開けて、保温された飲み物をコップに注いだ。
葉月「……何ですいとんなんか持ってるの？」
チトセ「全国回るなら体調管理くらいちゃんとしなければならんだろう？選手の体調管理もマネージャーの務めだ」
葉月「いや。そうだけど、北海道だったら味噌汁とか、ね？」
チトセ「コイツが仮に猫舌で火傷したらどうする？味噌汁は熱が溜まりやすいからダメだ。栄養もそれなりに取れるものじゃなきゃな。先が視えるのに後先考えないお前とは違う」
葉月「よしチトセ君後で表出ようか」
笑顔と共に青筋が浮かび、葉月の左額の黒豹の紋章がそれに歪められる。
剣幕から半ば逃げるようにコップを少年へ差し出すと、そいつは両手で受け取ってそっと口内へすいとんを招き入れた。
？？「ありがとう。……あ、おいしい」
雪のようにふわりと笑う少年はどこか儚げで、淑やかな印象を与えた。
それに気づいたのか、さっきまで席で横になって寝てたキョウが何の前触れもなしに起き上がって「チトセの料理は何だって美味い」と言い残してからぽてっとすぐ眠ってしまった。
葉月「この子料理は得意だからね」
？？「そうなんだ、すごいね」
塔子「まだ寒い？」
？？「ううん。おかげであったかくなってきたよ」
チトセ「それはよかった」
少年は注がれた分のすいとんの残りをちゃんと最後まで飲んでくれた。
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さっちゃん - ドラマダ１話だけ見たよーとても面白かった！！雷雨が勧めるアニメは絶対見るからねーだからいつでも言ってねー毎日雷雨と会うたびにわくわくしながら楽しみにしてるんだからねー (2015年8月6日 9時) (
レス) id: 16c12ee81d (このIDを非表示/違反報告)
さっちゃん - おはよー今日から夏の高校野球がテレビで始まるよーうちはこのテレビを見て夏だなーって思う！あ！６巻おめでとーう！！ここにコメント書いたらいいんだねー (2015年8月6日 9時) (レス) id: 16c12ee81d (このIDを非表示/違反報告)
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