（２７５）教えて ページ47
〈せめてあと少しだけ
そばであたためて
すべて通り過ぎるまで
なにも言わないで〉
……声から、あたしの考えが出てくる。
〈隠された 遠い記憶
その瞳(め)の中にすべて封じこめた
愛しさにさらわれて
痛みさえ 掻き抱く 今
なにもかも捨て〉
必要としないものは、今まで全て捨ててきた。
だから愛とか感情もわからない。
けど、
〈愛しさに震えて
音の無い世界 止めた時間
まだ行かないで
そばに…〉
【愛されたい】ってことと、【寂しい】と思えなくなることが同じだって言うなら、
……教えてくれ、
〈ふさいだ くちびるから
伝え合う熱い言葉たち
愛しさにさらわれて
痛みさえ 掻き抱く 今
なにもかも捨て〉
いつか自分も感情(それ)を欲す日がくるのかを。
〈愛しさに震えて
終わらせない夢 止めた時間
あと少しだけ
そばに…〉
その意味を、指し示して。
聖羅「…………」
口を閉ざすと同時に、自然の揺らぐ様子が消えた。
腹の痣から手を離し、食い入るように手を見つめる。
この【声】を使って歌ったら、肌に触れても切り傷ができないのか。
極力拒むようにして手にバンテージを巻き、ずっと長袖で肌を隠してきたというのに。
……わからない。
普通じゃないってことくらいは見当が付いていた。
けど、こうでもしないとならない自分がひどくもどかしい。
聖羅「……もういい」
円堂「え？」
聖羅「……腹」
円堂「……！わっ、スゲー！治ってる！なあ、どうやったんだ？！」
痣が知らぬ間に跡形もなくなってることに、円堂が目を輝かせてあたしを見る。
あー……、……うっとうしい。
聖羅「知らねーよ」
本当に、自分も知らない。
円堂の言い分通り、あたしは自分自身のことをなにも知らなくて、知ろうとも思わなくて……、けど何故かこれだけは鮮明にやり方は覚えていて、便利だから使ってるだけ。
聖羅「なんか、気付いたら使えてた」
円堂「気付いたらって……」
聖羅「…………」
円堂「空翼はさ、こうやっていつも自分のケガとか手当てしてたのか？」
聖羅「あたしには効果がない。それもなんでか知らねーけど」
円堂「……そうなんだ」
……なんでアンタが、悲しそうな顔してんだか。
自分のことでもないのに。
感情のわからない、人間の痛みを知らないまま、あたしと円堂はキャラバンに戻った。
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さっちゃん - ドラマダ１話だけ見たよーとても面白かった！！雷雨が勧めるアニメは絶対見るからねーだからいつでも言ってねー毎日雷雨と会うたびにわくわくしながら楽しみにしてるんだからねー (2015年8月6日 9時) (
レス) id: 16c12ee81d (このIDを非表示/違反報告)
さっちゃん - おはよー今日から夏の高校野球がテレビで始まるよーうちはこのテレビを見て夏だなーって思う！あ！６巻おめでとーう！！ここにコメント書いたらいいんだねー (2015年8月6日 9時) (レス) id: 16c12ee81d (このIDを非表示/違反報告)
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