（２７０）“痛み” ページ42
円堂「……お前、痛くねぇのか」
聖羅「…………、痛くねぇ」
空翼が氷のような眼差しでオレを見つめる。
その声は今まで聞いたどの時よりも乾いてて、無機質だった。
聖羅「殴られようと蹴られようと刺されようと、なにされようと痛くねぇ。痛みを感じねぇんだよ」
円堂「痛みを、感じない？」
聖羅「体の感覚が鈍いんだよ、舌以外。触れられてるのがなんとなくわかる程度っつーか、分厚いゴム越しに触られてる感じだ。だから言っただろ。手当てとか必要ないって」
円堂「…………」
聖羅「ケガなんて適当にしとけばそのうち治る。今までずっとそうしてきたし。でもアンタは違う。アンタは痛みを感じるんだろ？なのにあたし庇ってケガするとか、あたしからしたらほんと意味わかんねーから。わざわざリスク背負うとか謎……」
円堂「意味わかんねーのはどっちだよ、バカ」
オレは空翼の頬を軽くはたき、言葉を遮った。
最初は痛みを感じないって聞いて、驚いた。
何を言われてるのかすぐには理解できなかったくらいだ。
けど、それを平然と話す空翼を見てるうちに、なんか……、だんだん切なくなってきてしまった。
空翼は痛みを感じない。本当の痛みを知らない。
それって……すごく悲しいことなんじゃないか。
こいつは痛みと同時にいろんなことを知らないんじゃないかって思って……。
傷つける痛みや、傷つけられる痛み。
そういうのは他人と関わることで実際に体験して、その中で反省したりうまくやる方法を見つけたりしていく。
でも、こいつはたぶんそういうのがあまりなかったんだろう。
自分が痛くないから、他人の痛みがわからない。
だから、俺の行動も理解できなかったんだ。
純粋に人が人を想うがゆえの行動。そこに損得勘定なんかない。
けど、こいつはそれを知らない。
それで人間と深く関わりたくないとか……そういう寂しいことばかり言ってたんだ。
そう思ったら、空翼がひどく幼く見えた。
円堂「お前さ、あんまりバカなこと言うなよ。痛みがなくたって血は流れるし、致命傷を負えば死ぬ。痛くないから手当てはいらないとか、どんな屁理屈だよ」
聖羅「…………」
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さっちゃん - ドラマダ１話だけ見たよーとても面白かった！！雷雨が勧めるアニメは絶対見るからねーだからいつでも言ってねー毎日雷雨と会うたびにわくわくしながら楽しみにしてるんだからねー (2015年8月6日 9時) (
レス) id: 16c12ee81d (このIDを非表示/違反報告)
さっちゃん - おはよー今日から夏の高校野球がテレビで始まるよーうちはこのテレビを見て夏だなーって思う！あ！６巻おめでとーう！！ここにコメント書いたらいいんだねー (2015年8月6日 9時) (レス) id: 16c12ee81d (このIDを非表示/違反報告)
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