（２３２）落下 ページ4
リク「……？なぁ、何だろあれ」
円堂が最後まで言い終わらずに間を開けてしまっていると、皐月が窓の外を見上げた。
他もそれに合わせて外に目を向ける。
よく見ると、黒い球状の3つの塊がくるくると輪を描いて、青空から落下していた。
バスの走行中に見えてきた稲妻町の真上にある。
落下するにつれて街中へと沈んだ時だった。
……突如として、ここからでもわかる程の大爆発が起こった。
それ以前に、塊の落下地点が雷門中であることに皆面喰らう。
皐月が窓を開けて、とっさにクロイドのベニを飛ばした。
リク「ベニ、雷門中を見てきて！」
ベニ『おう、まかせろ！』
バスよりも早く羽ばたく紅いスズメは、先に向かって行った。
＊
……黒い。
バスから降りて見た第一の言葉が、まさしくそれだった。
太陽みたいに眩しかった雷門中の校舎が、体育館が、グラウンドが、瓦礫の山と化して、色を失っていた。
夏未「なんて事……っ」
円堂「何が起こったんだ……？！」
染岡「ひでェ……！」
変わり果てた学び舎の姿に皆、絶句せざるを得なかった。
「君達なのか……？」
立ち込めた砂煙から、よたよたと顔を青くさせた茶色いスーツの人物が現れる。
円堂「……！校長先生！」
火来「おお、円堂くんか」
円堂「何があったんです？！」
恐怖した震え声で校長が口にしたのは、信じられないことだった。
火来「う……宇宙人だ！」
円堂「え、宇宙人……？」
火来「そうだ、宇宙人だ！宇宙人が攻めて来たんだよ！！」
円堂「そんな、冗談でしょう？校長先生」
……と、さらに奥の砂煙の先で羽音がした。
ベニ『おーい！こっちだ！来てくれ！』
砂煙が羽ばたきのおかげで少しずつ晴れる。
そこには、ボロボロになって地面で呻く、古株さんとイナズマイレブンのおじさんたちだった。
春奈「ひどい……」
秋「どうしてこんなことに……？」
リク「大丈夫ですか？！」
宍戸「しっかりしてください！」
チームメイトがおじさんたちに駆け寄り、手助けをする。
……助けたところで得なんかねーのに。
響木「古株さん、あんたは……」
古株「おぉ、響木か。昔取った杵柄、久しぶりにキーパーの名乗りをあげたんだが……奴らには通用しなかったよ」
校長に肩を借りる古株さんが申し訳なさそうに笑う。
響木「本当に宇宙人と戦ったのか」
火来「ええ。サッカーで戦いを挑んできたんですよ！」
円堂「サッカー……？どういうことですか？！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 21人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さっちゃん - ドラマダ１話だけ見たよーとても面白かった！！雷雨が勧めるアニメは絶対見るからねーだからいつでも言ってねー毎日雷雨と会うたびにわくわくしながら楽しみにしてるんだからねー (2015年8月6日 9時) (
レス) id: 16c12ee81d (このIDを非表示/違反報告)
さっちゃん - おはよー今日から夏の高校野球がテレビで始まるよーうちはこのテレビを見て夏だなーって思う！あ！６巻おめでとーう！！ここにコメント書いたらいいんだねー (2015年8月6日 9時) (レス) id: 16c12ee81d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
