（１７６）準決勝、開始 ページ28
勢いでいろいろ喋ってしまった。
直接肌に触られるのが嫌なこと。
閉め切った空間に長時間居続けることができないこと。
触られるのが嫌なのは、隠している素性を曝け出してしまうから。
もうひとつは、体育館の倉庫とか他にもいくつかあって忘れたけど、長時間閉じ込められてそのまま忘れられることが多々あったから。
普通じゃないってよく言われるけど、じゃあその「普通の基準」って何だよって話だ。
そもそも普通かそうじゃないかを決める物とか定義なんて、この世には存在しない。
あたしはあたしでこれが普通なんだ。
今日だって、大会の準決勝戦って、勝ち進む。ただ、それだけだ。
自分の頭でそう唱えながら、黒ジャージの袖に腕を通した。
＊
王将『さぁ、全国大会サッカーファンの皆様。フットボールフロンティアもいよいよ佳境！本日は、Bブロックの準決勝！昨年の準優勝チーム、名門木戸川清修と、今大会台風の目となっている雷門中の対決です！』
相変わらず煩い実況だ。鼓膜が変になる。
そう思いながら全員が着替えを済ませてグラウンドへ向かっていると、木戸川清修中学一同と遭遇した。
努「……豪炎寺」
友「今回は逃げなかったようですね」
豪炎寺「俺は正々堂々と戦う。それだけだ」
勝「まっ、せいぜい楽しませてくれよ、みたいな」
努「この1年でお前の力が鈍っていなければいいけどな」
勝「そこの熱血クンも、俺たちのトライアングルZで吹っ飛ばされないようにねぇ、みたいな」
聖羅「(素人同然の葉月に止められたクセに、よく言う……)」
円堂「あぁ、必ず止めてやる。オレたちは絶対に負けない！」
王将『昨年、優勝を逃した雪辱を果たすためにも負けられない木戸川清修！そして対する雷門に40年ぶりの決勝進出が掛かっている。これはアツい戦いになること間違い無しだ！』
聖羅「……まずは」
お手並み拝見、させてもらおう。
王将『さぁ、キックオフだ！』
木戸川清修からのキックオフ。
染岡のスライディングを、武方三兄弟のコンビネーションで軽々と躱された。
豪炎寺「来い！」
勝「見せてやる。俺たちの力を、みたいな！」
豪炎寺「何っ？！」
豪炎寺も同じく抜かされた。
鬼道「少林！マックス！中央を塞げ！」
「「おう！」」
友「努！」
友が大きくセンタリングを上げ、そのままボールは努へと渡った。
円堂「しまった！」
努「バック……トルネード！！」
（１７７）Have a reunion→←（１７５）アクシデント
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 25人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さっちゃん - 久しぶりー読みましたよ！第4巻！また新しいのが出来たら投稿してねー楽しみにしてるよー（＾ー＾） (2015年3月14日 14時) (
レス) id: 16c12ee81d (このIDを非表示/違反報告)
佐倉かぐや(雨狩香)(プロフ) - 今日、一気に見させていただきました！とても面白く素晴らしい作品ですね！更新、頑張ってください。応援してます！(*´ч`*) (2015年2月12日 4時) (レス) id: 143c1285b3 (このIDを非表示/違反報告)
夏の破壊者(プロフ) - 第四巻目おめでとう！！(*´∀｀*) これからも改めてよろしくお願いします( ｀・∀・)ﾉ (2014年12月12日 8時) (レス) id: 33a54af4d9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
