（１７２）接触 ページ24
円堂「棚ってどの段！？」
温子「3段目に無いの？」
円堂「見当たんないんだよー！」
そんなゴチャゴチャした会話を背にしつつ、聖羅は黙って円堂の部屋へと向かった。
聖羅「……なにこれ」
円堂の部屋は、脱ぎ捨てた衣類、出しっ放しのサッカー雑誌などが足の踏み場もないくらいに散らかっていた。
こうなると温子さんの掃除が毎日大変そうな姿が目に浮かぶ。
幸い何も置かれていないベッドに足を伸ばして乗り、立て膝をついた。
ケガするとか、急に自分が情けなくなってくる。
自分は人間……他人との関わりは出来るだけ避けたいのに。
そう思っていると部屋のドアが開かれて、両手に救急箱とバッグを抱えた円堂が不安定な足取りで戻ってきた。
円堂「悪いな、部屋散らかってて……」
聖羅「別に」
円堂「急だったから片付けるヒマ無くってさ」
円堂は床の隙間につま先を立てて、危ういステップでバッグを机に置いてから「よいしょっ」と掛け声をひとつしながら、倒れこむようにベッドに乗っかった。
円堂「ふー……疲れた。手、見せてみろよ」
聖羅「はぁ？別にいいし」
円堂「いいから見せ……」
その腕を掴もうとして、円堂は昼間に聖羅が手を払った事を思い出す。
でも、円堂は今はそんな事どうでも良かった。
円堂「見せろって」
聖羅「！」
腕ではなく手を取ろうとして、聖羅は肌が触れるか触れないかの至近距離になって円堂を突き飛ばした。
勢いで円堂は派手にベッドから転げ落ちる。
円堂「……ってぇ〜、いきなり何すん……」
聖羅「…………」
床にぶつけた後頭部を抑えながら聖羅を見上げると、怯えるような眼差しをしていた。
いつもは平然としているのに、こんな顔をするのは初めて見た。
円堂「……空翼？……っ」
体を起こして手を伸ばせば、また思いきり払われた。
聖羅「……自分でやる」
円堂「…………」
前も家に泊めた時、心配になって触ろうとすれば拒絶された。
あの時は窓を開けて済んだけれど、今だって換気で開けているし、過呼吸もしていない。
そう考えればまた別のことだろうか、と円堂の中で考えがよぎった。
円堂「お前、何でそこまでして嫌がるんだ？オレが嫌いだから？」
聖羅「…………」
言おうか否かと迷い、聖羅は視線をシーツに落としたまま何も言わなかったが、少しして呟くように喋りだした。
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さっちゃん - 久しぶりー読みましたよ！第4巻！また新しいのが出来たら投稿してねー楽しみにしてるよー（＾ー＾） (2015年3月14日 14時) (
レス) id: 16c12ee81d (このIDを非表示/違反報告)
佐倉かぐや(雨狩香)(プロフ) - 今日、一気に見させていただきました！とても面白く素晴らしい作品ですね！更新、頑張ってください。応援してます！(*´ч`*) (2015年2月12日 4時) (レス) id: 143c1285b3 (このIDを非表示/違反報告)
夏の破壊者(プロフ) - 第四巻目おめでとう！！(*´∀｀*) これからも改めてよろしくお願いします( ｀・∀・)ﾉ (2014年12月12日 8時) (レス) id: 33a54af4d9 (このIDを非表示/違反報告)
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