（１７１）ケガ ページ23
円堂「ごめんな空翼。オレ、結局勝てなくて……」
全員解散した後、オレは空翼に謝った。
聖羅「……別に頼んだ覚えねぇし」
円堂「オレがイヤなんだよ！空翼にボールぶつけられた時、オレ本気で嫌だったんだからな！」
河川敷の草地の斜面に座ってしれっとする空翼に、オレはこれでもかというくらいの思ったことをぶちまけていた。
聖羅「つかさ、武方三兄弟の狙いは修也くんだろ。あたしの立ってた位置がその隣りだったから、ケガさせたくなくて軌道変えただけだし」
円堂「は……？ちょっと待てよ。あのシュートは空翼を狙ったんじゃないのか？」
聖羅「ちげぇよ。今言ったけど、シュートの軌道変えたのはあたしだ。だから武方三兄弟は悪くねぇよ」
円堂「えええっ？！！て事はオレ、スゲー勘違いしたんじゃ……何で言ってくれなかったんだよ！！」
聖羅「言おうとしたけど聞かなかったのはアンタだろ。キレてたから耳に入らなかったのかどうか知らねーけど」
円堂「オレ、そこまで怒ってたのか……？」
全く身に覚えがない。
どうやらオレは、けっこう空翼のことになると抑えが効かなくなるようだ。
聖羅「……強力な手駒を傷付けてもらったら困るんだよ」
遠回しな心配なのか、それとも本心なのか、空翼はひねくれた答えを返した。
少しだけ、仲間を思う気持ちを持ってくれたんだと思うと嬉しかった。
でも、そう思ったのもほんの一瞬だけだ。
ギターの切れた弦を張り直し終えてケースにしまう空翼を見て……ぎくっとする。
……血だ。
空翼の手のひらから血が出ている。
円堂「お前、それ……、ケガしたのか！？」
聖羅「転んだ時に手ェついたから」
円堂「オレん家近くだから来いよ。とりあえず手当てしないと」
聖羅「……別にいい」
円堂「よくねぇだろ」
聖羅「いい」
円堂「よくねぇって！いいから来いよ！」
ケガしてるなんて放っておけない。
オレは半ば強引に空翼の腕を引いて、ひとまず家に連れて帰った。
＊
円堂「母ちゃん！救急箱ってどこ！？」
温子「何よ、帰ってくるなり……って、聖羅ちゃんじゃない。どうしたの？」
慌ただしく廊下を走って、キッチンで料理の本を読んでいた温子は目を見開いた。
聖羅「…………」
円堂「空翼がケガしちゃって。だから救急箱ってどこ！？」
温子「救急箱だったらそこの棚に入ってるわよ」
円堂「サンキュ、母ちゃん！あっ、空翼はオレの部屋で先に待ってて！」
いちいちうるせぇ……。
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さっちゃん - 久しぶりー読みましたよ！第4巻！また新しいのが出来たら投稿してねー楽しみにしてるよー（＾ー＾） (2015年3月14日 14時) (
レス) id: 16c12ee81d (このIDを非表示/違反報告)
佐倉かぐや(雨狩香)(プロフ) - 今日、一気に見させていただきました！とても面白く素晴らしい作品ですね！更新、頑張ってください。応援してます！(*´ч`*) (2015年2月12日 4時) (レス) id: 143c1285b3 (このIDを非表示/違反報告)
夏の破壊者(プロフ) - 第四巻目おめでとう！！(*´∀｀*) これからも改めてよろしくお願いします( ｀・∀・)ﾉ (2014年12月12日 8時) (レス) id: 33a54af4d9 (このIDを非表示/違反報告)
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