（１６５）激昂 ページ17
勝「臆病者の卑怯者だ！」
脚を振り、豪炎寺に向かってシュートを放つ。
ボールはためらわず一直線に彼を狙って飛んだ
……はずだった。
確かに長男は豪炎寺目掛けてシュートを放った。
だが当たったのは豪炎寺ではない。
紛れもなく、聖羅のこめかみに命中していた。
あんな真っ直ぐに、一寸の狂いも無しに放ったボールが、途中で気が変わったかのように空中で軌道を変えたのだ。
その現象を即座に受け入れるのは、円堂も、肩越しにその光景を目にした豪炎寺も、ガキたちでさえも無理な話だ。
反射の如く跳ね返ったボールに対し、聖羅は無気力に体勢を立て直さず、されるがままにその場で尻もちをついた。
ギターケースが肩から外れ、ものすごく不快な音を震わせてコンクリートの地面に叩きつけられる。
豪炎寺「……！」
円堂「空翼！！？」
友だちにケガさせたことで、まこたちは武方三兄弟に敵意を向けた目で睨んだ。
寺坂「お前ら！ぼくらの友だちイジメないでよ！」
まこ「女の子にボールぶつけるなんてサイテー！」
円堂「空翼、大じょ……」
立つ手助けをしようと伸ばした手が思いきり払われた。
円堂はビックリして、無言で黒ジャージの砂を払う聖羅をバカみたいに見つめた。
ほんの数秒で我に返った時には、円堂にも武方三兄弟への怒りが自然と湧いていた。
いくら元チームメイトが憎いからと言って、関係ない人まで巻きこむのは許されることじゃない。
円堂「くっそぉ、もうガマンできない。お前らの偵察とやら、オレが豪炎寺の代わりに受けて立ってやる！」
豪炎寺「円堂……？」
友「なに言ってるの？」
勝「チョー意味わかんないんだけどー、みたいな」
円堂「ストライカーなら、相手のキーパーの力を知りたいんじゃないのか」
努「それはそうだが」
円堂「お前らが豪炎寺よりすごいと言うなら、オレからゴールを奪って証明してみろ！！」
勝「マジで時代遅れの熱血クンってカンジ〜」
激昂する円堂を、勝はわざと煽るような口ぶりで返した。
円堂「豪炎寺の次は空翼を攻撃かよ……！」
勝「ハァ？俺は豪炎寺に狙って打ったんだけど？まさかボールの軌道変わるとか思わないし、当たったのはそこの白銀女がつっ立ってたせいじゃねぇの」
円堂「うるさい！空翼のせいにするな！」
聖羅「あのな、えんど……」
円堂「さあ。やるのか、やらないのか。どっちだ！」
何か言いたげな聖羅の言葉も、円堂の耳には入らなかった。
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さっちゃん - 久しぶりー読みましたよ！第4巻！また新しいのが出来たら投稿してねー楽しみにしてるよー（＾ー＾） (2015年3月14日 14時) (
レス) id: 16c12ee81d (このIDを非表示/違反報告)
佐倉かぐや(雨狩香)(プロフ) - 今日、一気に見させていただきました！とても面白く素晴らしい作品ですね！更新、頑張ってください。応援してます！(*´ч`*) (2015年2月12日 4時) (レス) id: 143c1285b3 (このIDを非表示/違反報告)
夏の破壊者(プロフ) - 第四巻目おめでとう！！(*´∀｀*) これからも改めてよろしくお願いします( ｀・∀・)ﾉ (2014年12月12日 8時) (レス) id: 33a54af4d9 (このIDを非表示/違反報告)
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