（１１５）幼なじみ ページ17
佐久間「…………」
佐久間はなにも答えず、ただうつむく。
前に試合をしたときはグイグイ来るヤツだと思っていたのだが、今はそのオーラの片鱗も見当たらない。
聖悟「……気安く触んないでくれる。これからグラウンドに戻んねーと……」
個室扉を開けようと振り返り、ノブに手をかけた。
無関係の人間が増えるのはごめんだ。
すぐにでもこの場から立ち去りたいのだが、佐久間は何故かその扉を開けさせまいと、背後から片手で制した。
佐久間「……いい加減知らないフリするの、もうやめてくれよ」
佐久間は今にも泣き出しそうな、悲しい声をしていた。
聖悟「……は？いつ、知らないフリしたワケ」
僕の知り合いは、帝国学園にはいないはずだ。
佐久間は苦りきったような表情をすると、僕を正面に向き直らせて肩を壁に抑えた。
佐久間「いちいちとぼけるなよ！！！！」
聖悟「僕、記憶喪失らしいから。
事故から後の記憶ならあるけど、前の家族以外、知人はいない」
佐久間「……嘘っ、だろ……」
聖悟「嘘じゃねーよ。つか、なんで関わろうとすんのか意味わかんねー。
アンタとは他人だろ。知るもクソもあるか」
佐久間「他人なんかじゃない！
お前は、幼馴染なんだよ！」
絞り出すような声で告げられた言葉は、僕の思考回路を遮断させた。
聖悟「は？……アンタと？」
佐久間「俺だけじゃない。鬼道と、源田もだ！」
聖悟「…………」
信じ難くて、呆然とした。
佐久間と鬼道、源田の3人が、自分と幼馴染。
自分の記憶が正しければ、辛くもなければ楽しくもなく毎日通っていた小学で友達なんかいなかった。
柊たちに会ったのは去年だし、その頃に初めて気の合う同志というものを持ったはずだ。
なので、いきなり「幼馴染だ」と言われても混乱するしかない。
佐久間「……ごめん。お前さっき記憶喪失って言ったのに……こんなこと聞いたら混乱するよな」
聖悟「…………」
聖悟は、何も返さずにその場を去った。
聖悟「幼馴染、なぁ。……チトセと水狂言かよ」
人間が吹き込んだ嘘にだまされたらどうなることか。
僕が一番よく知っているから。
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ばっしゅ(プロフ) - え、円堂・・・(( (2014年8月17日 9時) (
レス) id: 211a3ef49a (このIDを非表示/違反報告)
まこう(プロフ) - 雷雨さん» 見てみる！！ (2014年6月21日 14時) (レス) id: 86db760eed (このIDを非表示/違反報告)
雷雨(プロフ) - まこうさん» 『LOVE STAGE!!』っていうアニメ知ってる?! 友達が教えてくれたんだけど、声優がやたらと豪華すぎる！公式サイト見てみて！絵もすごくカワイイんだよ！ (2014年6月20日 19時) (レス) id: 56e9aa1732 (このIDを非表示/違反報告)
まこう(プロフ) - 続編おめでとう！！更新頑張ってね！ (2014年5月19日 13時) (レス) id: 3e30f6238f (このIDを非表示/違反報告)
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