（１００）欺騙 ページ2
これまでの土門の行動と、影山との繋がり。
……現在、これといった情報は無い。
けど油断はしない。もっと……、もっと周りに神経を尖らせないと。
机に向かって頬杖を付きながら、そう考えていた。
すると、不意に聞こえたドアの開く音で我に返った。
「よっ！」
聖悟「部屋に入るときはノックしろって、何度言えばわかんだよ、光夜」
光夜「悪かったって。カタいこと言うなよ〜」
財閥で唯一の息子ともあろう者が、礼儀を知らないようだ。
そんなニコニコと屈託の無い笑顔を向けるこの青年は、天空
母の雅、父の一樹とは直接血の繋がった息子だ。
聖悟「……で、何の用」
光夜「決勝進出おめでと。それだけ言いにきた」
聖悟「あっそ」
水狂言とほぼ変わらない人物のはずだが、彼だけは何故か良く思えない。
……ふと気付けば、レオンが光夜を睨み付け、威嚇をしていた。
聖悟「ん、なに、レオン」
光夜「…………。そうだ、もひとつ用があるんだった。
こんなに暗くて悪いけど、買い出しに付き合ってくれない？」
聖悟「まだ4時半過ぎたばかりだから暗くはねーよ。……別にいーけど？」
光夜「やった。じゃ、オレは着替えてくる」
聖悟「着替えるったって、商店街のスポーツショップで買うんじゃないのか？」
光夜「こういうのは気分だよ、き・ぶ・ん」
聖悟「……何でもいいけど早く着替えてこい」
光夜「ほいほーい……」
ひらひらと手を降って速やかに部屋を出る。
光夜「……息子なんて、オレ一人で充分なのに」
ドアに背を付け、笑みの消えた顔で光夜は独り言を呟いた。
＊
光夜「じゃ、行ってくるね、母さん」
雅「行ってらっしゃい。車には気をつけるのよ」
光夜「わかってるよ〜。……行こうぜ」
聖悟「……光夜、今日はどうした？いつもなら買い出しはもっと明るい時間の内に済ませるだろ」
出発時間が約束した時間よりも遅いことに問いかける。
すでに暗くなり、住宅街の真上で立ち並ぶ街灯には灯りがついていった。
光夜は今まで固く閉じていた口を開ける。
光夜「……買い出しなんて、嘘に決まってんだろ」
そのタイミングを見計らっていたのか、聖悟の襟首をひっ掴み、コンクリートの塀に打ち付けた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 26人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ばっしゅ(プロフ) - え、円堂・・・(( (2014年8月17日 9時) (
レス) id: 211a3ef49a (このIDを非表示/違反報告)
まこう(プロフ) - 雷雨さん» 見てみる！！ (2014年6月21日 14時) (レス) id: 86db760eed (このIDを非表示/違反報告)
雷雨(プロフ) - まこうさん» 『LOVE STAGE!!』っていうアニメ知ってる?! 友達が教えてくれたんだけど、声優がやたらと豪華すぎる！公式サイト見てみて！絵もすごくカワイイんだよ！ (2014年6月20日 19時) (レス) id: 56e9aa1732 (このIDを非表示/違反報告)
まこう(プロフ) - 続編おめでとう！！更新頑張ってね！ (2014年5月19日 13時) (レス) id: 3e30f6238f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
