【HQ】お願いだからこっちを見るな

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「国見ィ！なんで昨日置いてったんだよ！」

「ごめん忘れてた」

「待ってるっつったのに！」

「お前女子かよ小さいことは気にすんな」






朝から仲良いなぁこの子ら。

ネットを張る私を見つけた2人は「ちーっす！」と挨拶をする。

「おはよー」と返事をしてぐいっとネット紐を下に引っ張った。






「…ゆっる」

「あ…おはようございます松川さん」

「ちょっとどいて。こんなんじゃ試合にならない」

「…すみません」






そう、今日は烏野高校のバレー部と練習試合兼合同合宿なのだ。

合宿って言っても、一泊二日、近くの宿を借りて練習するだけなんだけど。


ネットはさっきよりもピンッと張っていてさすが力強いなぁと思う。別に羨ましくないけどな。






「……なに」

「なんでもないです、」

「はぁ…ほんとうざい…」






み、見てただけじゃないか……

うざいのはこっちだっつーの






「(め、めっちゃ見られた…！嬉しい…！)」

「水瀬先輩！これ部費です！」

「ありがと金田一くん。あと二年生ふたりにも出してって言っておいてくれる？」

「分かりました！」






金田一くんから受け取った封筒を体育教官室にいる監督に渡しに行く。

松川さんからの視線が痛かった気がしたのは気のせいにしておこう。






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