私の口は喋らなくていい事を喋るのが上手らしい*1部【名探偵コナン/トリップ】

17話 ページ20

とは流石に言えない(言ったら多分死ぬ)

「あ、赤井さんって名前の知り合いがいるんですよ！それで顔がよく似てるなあって思ってあのそれで、へへ…」

雑い誤魔化しだな私、こんなのでFBIを騙せるわけが…「そうですか」

「えっ」

「それは失礼しました、何か、別の人の事を言っているような気がしたもので」

そう言うと沖矢さんは私の腕から手を離し
しゃがんでいた姿勢から体を起こすと私に手を差し伸べた

え、嘘やろ？騙せた？？え、でもこの人FBIのキレ者で、え、なんか狙ってたり…

頭の中がぐるぐると回る中とりあえず善意を受けようと差し伸べられた手に左手を重ね姿勢を起こす

「ど…どうも」

「…いえ」

とりあえずお礼を言うと沖矢さんも少し微笑んだ

お、あれ…これはいけたんじゃないか？？私の演技力が開花したのか？？すげーぞ私！！

で、沖矢さんさっきから私の手を離さずににこにこしてるんだけど…なに

「あの…そろそろ手を」

「…あぁ、そうですね。失礼しました」

そっと手を離すと沖矢さんは さて と言い私に背を向けた

「あの子たちが待っていますよ、行きましょう」

「ぅぇっ…はい」

つい口からぅぇって出ちゃったけど仕方ない、不可抗力だ
ところで安室さんは何処に行ったんだろ…多分ここにはいないだろうけど…ｱｶｲｲｲｲってされても困るしな…待ってる子…は多分コナンくんだなここコナンくんの家だし…ところで"たち"とは
…ていうか時系列的に今は何処なのだろうか

沖矢さんの後ろをついていきながら悶々と考え込んでいると そうそう と沖矢さんがドアノブを掴みながら言い私の方を向いた

「あの子たちの所に行ったら本当の事教えてくださいね、赤井とは…誰なのか」

「えっ」

逃げていいかな

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