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つづき。
市販の薬が効いたのか、滞りなく終わる撮影。
マネージャーの車に何人かで乗り込む。
ひんやりとした車の窓にさっきより熱くなっている顔を当てる。
結局、薮からは何も言われなかった。
1度だけ目が合ったような気がしたが、あれは熱が見せた幻覚だった気もする。
窓の外に流れる景色を見ていたら、俺の家に着いたようだった。
メンバーとマネージャーに短く挨拶をして車から降りる。
「俺もここで降ります。」
高木の声がした。
『は?お前なんで。今日はご飯とか無理だぞ。明日もあるし、今日はほんっっとに無理。』
「つべこべ言ってないで部屋あけてよ。
伊野尾くん今日体調悪いでしょ。夜通し看病してあげる♡」
ふざけた調子で言う高木に押されて、エントランスの鍵を開ける。
『お前、ほんとに泊まってくの?』
結局そのまま部屋まで高木をあげてしまった俺。
「体調悪いとさ、誰かにそばにいて欲しくなるもんじゃん?だから、俺がいてあげる。」
いつも通り茶化した言い方をするくせに、表情だけはこっちが恥ずかしくなるくらい優しさを含んでいる。
少し赤くなってしまったのは風邪のせいだと思いたい。
高木に急かされるまま、風呂と着替えをすませる。
そのまま寝室のベッドに潜り込むとすぐに眠気が襲ってきて、高木のことなんて気にする間も無く寝てしまった。
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作者名:あさり | 作成日時:2018年9月28日 4時