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つづき。
side in
『好きな人かあ、、、』
帰り道。
ふと今日の昼休みの出来事を思い出していた。
彼氏の話をする2人のことを羨ましいと思う。
俺もあんな風に誰かに恋をしたいし、その相手に恋されてみたい。
そんなことをぼんやり考えながら駅の改札を通ろうとした時。
ない!定期がない!?
なんてこった。つい最近更新したばかりなのに。
とりあえず、来た道を探そうとキョロキョロ歩く。
「もしかしてこれ君の?」
声の主の方を振り返る。
差し出されたのは、今俺が探していた定期。
差し出していたのは、明るい茶髪、小麦色の肌、俺でも分かるくらいオシャレなスーツを着こなすイケメンだった。
思わず相手の顔を見つめてしまう。
『あっ、、、ありがとうございます!』
赤くなった顔を隠すように勢いよく頭を下げると、クスクスと笑い声が降ってきた。
おそるおそる顔を上げると
「気をつけてね。」
爽やかな笑顔が向けられる。
あぁ、、これは、、、
自分の心臓の跳ねる音が聞こえた気がした。
ありがとう、知念。
俺も偶然を運命に変えてみせるよ。
『あの!!!!!!
俺伊野尾慧って言います!〇〇大学の3年生です!
お礼がしたいので、お知り合いになってください!!!』
一瞬驚いた表情を見せた彼だったが、俺のあまりの剣幕に押されたのか、自分の手帳にサラサラと何かを書くと
「俺は高木。高木雄也って言います。
これ、俺の番号。今は仕事中だから行かなきゃいけないけど、よかったら連絡して?」
『ぜったい!ぜったい連絡します!』
「ん。楽しみに待ってる」
高木さんは優しく微笑むと人混みに紛れていった。
どれくらいその場所にとどまっていたのだろう。
まだ俺の心臓はドキドキしていて、もらった11桁の数字が動いて見えるくらいには動揺していた。
どうやら恋をしたようだ。
あぁ、なんて送ろう。
絵文字を入れたら女っぽいかな、でも堅苦しくても年下っぽさを活かしきれないかな。
落ち着かない自分の心臓までも愛おしい。
もらった紙を大事に大事にしまう。
自分の運命は自分でつかんでみせるのだ。
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伊野尾くんに
『そんなに心配なら彼氏に首輪でもつけてろ、ブーーーーーーーーーース』
って言わせたかったのです。笑
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作者名:あさり | 作成日時:2018年9月28日 4時