短編集(JUMP×JUMP) (ページ24)

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オーロラ tk×in ページ24

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side in

「ざっっけんじゃないわよ。このクソビッチッッッッッ！！！！！！！！！！」

汚い言葉とともに俺の頬に衝撃が走る。
鬼の形相でこちらに向かってくる女を見た時から、これは手が出る可能性もあるな、と覚悟はしていたが、なかなか痛い。

肉体的な痛みももちろんあるが、人の視線も痛い。
そりゃそうか。真昼間の大学の食堂でこんな大騒ぎを起こしたら、否が応でも注目は集まる。

「たいして可愛くもないブスのくせに！！！よくも他人の彼氏寝取ってくれたわね、、！！！！」

厳密に言えば寝取ってなどいない。
あなたの彼氏さん、あ、元彼さんが誘ってきただけのこと。
ただ、まあ、ここでそんなことを言ってもらちがあかないことは経験済み。

したがって俺の返事はこうだ。

『たいして可愛くもない俺に負けたお前はよっっっっぽどブスなんだろうな。かわいそう。』

そして、自分史上最高に綺麗な微笑みを添えて言う。

『そんなに心配なら彼氏に首輪でもつけてろ、ブーーーーーーーーーース』

ちょうど食べ終わった昼食を持って、顔を赤くしてワナワナと怒りに震えるブスに背を向ける。

物心ついた時から彼氏持ちの女に好かれないタイプだった。
理由は簡単だ。
俺がやたらとモテるから。
この中性的な可愛い顔と白い肌。
自分で言うのもなんだが、男受け抜群な見た目だと思う。俺も男だけど。
なんの偶然か、俺の恋愛対象も男だったこともあって、さっきのように絡まれることもしばしば。

最初こそ傷ついていたが、売り言葉には買い言葉。
自分が悪くない時、かつ相手の女が手を出してきた時のみは、丁重に御言葉を返させていただいている。

自分の名誉のために言わせてもらうが、他人の男を寝取ったことは一度もない。
言ってしまえば、俺は付き合ったこともないし、誰かを好きになったことも片手で数えるほどしかない。
むしろ運命の恋人に憧れを持っているくらいなのに。