アプリコットフィズ in×cn♀(ym×cn♀) ページ3
注意!!
・このお話では知念さんが女の子になっています。
・伊野尾くん聖人君子ではないです。
苦手な方はとばしていただくことをオススメします。
いのちね
ちね♀(年下)→伊野尾♂(年上)
伊野尾くんに片思い
side 知念
ブクブクと沈んでいるような感覚になる。
もがけばもがくほどそこから離れられない。
水面から顔を出すことを諦めてしまえば楽なのに、、、理解していることと行動に移せることとはまた別の話なのだろう。
私はお隣に住む慧くんが好きだ。
私のほうが2つ年下で、年上の彼は私の面倒をよく見てくれていた。
そんな彼に恋をしてしまうのは仕方のないことだと思ってほしい。
本命チョコも、告白も、そういう行為も、私の「初めて」とか「特別」は全部慧くんに捧げてきた。
慧くんが「初めて」や「特別」を私にくれたことはないけれど。
時々泣きたくなる時がある。
彼が好きそうな香りのボディクリームをせっせとら塗っている時。
お酒と女物の香水をきつく匂わせた彼に抱かれている時。
あぁ、それでも私は彼の笑顔1つで何も考えられなくなるのだろう。
あの笑顔のために、好きでもない甘ったるい香りをまとって彼の元に行くのだ。
こちらに背を向けて眠る、彼の白い背中を見つめながら思う。
ブクブク。ブクブク。
このまま沈んで誰にも見つからなかったらいい。沈んでいく私を誰かに見つけてほしい。
そんな矛盾した思いを抱きながら、私はまた彼の背中に手を伸ばしてしまう。
その背中の持ち主が私を見ることはないと知っていても。
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作者名:あさり | 作成日時:2018年9月28日 4時