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「その人、そのー、クラゲさん？」
「おぅ、」
「クラゲがいるところに行けば会えるって？」
「…ま、会えるわけねぇよな」
「なんで連絡先聞かなかったの」
「なんでって…なんかそういうんじゃなかったというか…聞いていい感じなのか分からなかったし……」
「…舘さん、照相当だわ、久しぶりすぎて恋愛忘れてる」
「ですね…」
「ですよねぇ…、自分でも自覚済みですー…、はぁ…」
「あーあー、ため息ついたら幸せ逃げるよー笑」
「もう逃げてるー…」
「まぁまぁ、甘い物食べて元気だして、ね」
「舘さん、俺も甘いのー」
「はいはい笑」
舘さんが慰めのスイーツをくれるのは初めてで、相当酷い顔してんのか、俺…。
ことん、と目の前に置かれたのは俺の好きなガトーショコラ。
「ありがと、舘さん」
「いえいえ、これ、照好きでしょ？」
「うん、好き」
「阿部ちゃんは？照と同じの？」
「俺さっぱり系がいいな」
「あ、じゃあ、、新作のジェラート食べてよ、試食」
「え、俺も食べたい」
「…甘いものは別腹なんだね、笑」
「当たり前だろ」
日々の仕事はそれなりに充実してるし、こうやって飲みいったり、くだらない話出来る仲間もいて。
正直それで満足しきってたから、自分がこんなにも恋愛に溺れるなんて思ってなくて。
多分ここにいる誰よりも、俺自身に驚いている。
「うん、今日も美味い、さすが舘さん」
「お口にあったみたいで光栄です」
「舘さん、ジェラートも美味いよ〜！」
「お、ほんと？よかった、結構甘さ控えめにしたんだ」
「…ん、ほんとだ、爽やか」
「夏だからね、さっぱり系にしたけど照は甘ったるい方が好みでしょ？」
「さっぱりしてんのも好きだよ」
「結局スイーツが好きって事ね」
「そういうこと」
舘さんとスイーツの話をしてる時、急に一点を見つめて動かなくなった阿部。
いつものあざといきゅるきゅるの瞳を、さらにきゅるきゅるさせて思考停止。
なんだこいつ、ジェラートの美味さにやられたか？笑
「阿部ちゃん？どうかした？」
「美味すぎて思考停止してんだろ笑」
「舘さん…、あの、さ」
「ん？」
「クラゲ、」
「え？クラゲ？」
「あれ、、いつからいた…？」
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作者名：maoka. | 作成日時：2023年8月4日 19時
