Distiny【Mizuki & Ryo】

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瑞稀から返ってきた教科書をパラパラと捲る。


私のクラスがやっているところより早く進んでいるみたいで、まだ綺麗だったページに書き込みがされている。


横には気持ち悪い、犬？猫？




「何笑ってんの？」


『瑞稀画伯が、』




教科書を覗き込む涼ちゃんが吹き出す。


相変わらずやべーな、と手を叩いて笑っている。


笑い続けている涼ちゃんを横目に、何気なく前のページを見てみると、


この訳間違ってるよ、と付箋が残されている。


瑞稀、英語あんまり得意じゃなかったのにな、と思いながらも、


正しい訳に書き直して付箋を筆箱にしまい込んだ。




*




放課後、涼ちゃんの帰り支度を待っていると、瑞稀が顔を覗かせる。




『あれ、どうしたの？』


「今日一緒に帰れるかなって、」


「タピオカ、瑞稀も行く？」


「行こうかなー」




珍しい、瑞稀が来るなんて。




「デート、邪魔にならない？」


「何言ってんだよ、瑞稀のこと仲間外れにするわけねーだろ」




鼻の奥がツンとする。


ちょっとだけ、泣きそうになった。


久しぶりに三人揃った、放課後。


やっぱり両隣に瑞稀と涼ちゃんがいて欲しいって願うのはワガママかな？




『久しぶりに三人だね』


「ほんとだよ、ヒナちゃん瑞稀のこと返してくれねーかな」


「何言ってんの」




二人と笑いあってるのが、一番幸せ。





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