Page 23 ページ23
.
耳から離れない、女の人の嬌声と、瑞稀の聞いたことの無いような色気を含んだ声。
痛い、苦しい、気持ち悪い。
それをどうにか、消したくて、
……涼ちゃんに縋った。
『ねえ、涼ちゃん、』
___瑞稀と、ヒナちゃんと、同じことしよう。
見開かれた、涼ちゃんの大きな瞳。
こんなこと、私の口から出るなんて思ってなかったんだろう。
『涼ちゃん、ずっと私の隣にいてくれるんでしょ?…お願い、一番近くにいてよ』
初めては、いつか世界で一番好きな人と。
そう願ってたけど、叶わないから。
私なんかを好きって言ってくれる、涼ちゃんの想いを踏みにじってしまうけど、
『瑞稀のことなんか、考えられなくして?』
「……ほんとにいいの?」
息を呑む涼ちゃん、震えた声で私の頬に触れる。
きっと、世界で一番私を好きでいてくれるのは、涼ちゃんだから。
『……うん、こんなこと、涼ちゃんにしか頼めない』
狡くて、酷くて、最低で。
残酷な言葉を、涼ちゃんに投げかけた。
「……優しく、するから」
すぐそばのベッドに運ばれ、視界に入るのは白い天井と、涼ちゃんだけ。
初めてではないであろう、涼ちゃんに身体を預ける。
再び滲んだ、涙を涼ちゃんがペロリと舐めとる。
「しょっぱ、」
なんて、無邪気に笑った。
.
1495人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みな(プロフ) - 重い瑞稀くん大好きです…泣 (2019年4月6日 19時) (レス) id: fa95af4103 (このIDを非表示/違反報告)
hona0216(プロフ) - 毎回凄い面白くて楽しみです!涼くんと最後結ばれるのが見てみたい気もしてきました、、(笑) (2019年4月5日 9時) (レス) id: c67cdb877e (このIDを非表示/違反報告)
アオ(プロフ) - Lunaさん» ありがとうございます!これからもよろしくお願いします……! (2019年3月28日 18時) (レス) id: 9c6ea69461 (このIDを非表示/違反報告)
Luna(プロフ) - 今回も面白かったです!毎回、展開が気になるので更新頑張って下さい。応援してます(^O^) (2019年3月26日 0時) (レス) id: fca9aa730a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:アオ x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=blueao5&scr=novel/jeyuto01...
作成日時:2019年3月23日 11時