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階段を上る、足取りが重くて。
幸せが逃げるなんて知らない、深い溜息を吐いた。
なんであんなこと、
___「もう、はしもっちゃんとA付き合えば?」
知らない誰かのものになるくらいなら、一番信頼してる親友に預けるのがマシだと思った。
けど、Aの幸せを自分以外がつくるなんて、気に食わない。
俺だけを見て、俺だけを頼って、俺だけを……、
そんな歪んだな思考が頭の中を支配する。
たった十数段の段差、Aの部屋の前に立つ。
「A、母さんがお風呂入れって」
ノックをして声を掛けてみたけど、何も聞こえてこない。
お邪魔しまーす、と小声で呟いて部屋のドアを開けた。
「ねえ、……、っ」
部屋に入って、一番最初に目に入ったのはベッドに横たわるAの姿。
掛けられたブランケットはほぼ意味をなさず、無防備にもスカートからスラリとした太腿が晒されている。
ごくり、と息を飲んだ。
「…ほんとに寝てるの?」
一歩、二歩、三歩、ベッドに近づいて確認しみると、すやすやと息を立てて眠っている。
見下ろしたAの頬はうっすら涙の跡が残っている。
なんで、兄妹なんかで生まれたんだろう。
警戒心の欠けらも無い、Aの上に覆い被さった。
___誰かのものになるくらいなら、
誰かのものになるくらいなら、めちゃくちゃにしてやりたい、笑顔も、幸せも、奪って、
俺だけのことしか考えられなくなればいいのに。
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みな(プロフ) - 重い瑞稀くん大好きです…泣 (2019年4月6日 19時) (レス) id: fa95af4103 (このIDを非表示/違反報告)
hona0216(プロフ) - 毎回凄い面白くて楽しみです!涼くんと最後結ばれるのが見てみたい気もしてきました、、(笑) (2019年4月5日 9時) (レス) id: c67cdb877e (このIDを非表示/違反報告)
アオ(プロフ) - Lunaさん» ありがとうございます!これからもよろしくお願いします……! (2019年3月28日 18時) (レス) id: 9c6ea69461 (このIDを非表示/違反報告)
Luna(プロフ) - 今回も面白かったです!毎回、展開が気になるので更新頑張って下さい。応援してます(^O^) (2019年3月26日 0時) (レス) id: fca9aa730a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アオ x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=blueao5&scr=novel/jeyuto01...
作成日時:2019年3月23日 11時