Distiny【Mizuki & Ryo】

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___放課後、


帰りのホームルームが終わって、やっと涼ちゃんが目を覚ます。




「あ、れ……瑞稀がいる」


『涼ちゃん寝すぎ』


「…誰のための勉強会なんだか」




呆れたようにため息をつく瑞稀と顔を合わせる。


涼ちゃんは仲間はずれにしないで！と急いで教科書を取り出す。


相変わらずまっさらな教科書だ。




*




「はー？何これ意味わかんないんだけど！」


『だからここは、』




今日授業でやったところなんですけど？！


まぁ、涼ちゃん超すやすや寝てたけどね。


夜更かししてるのかと思いきや、九時頃に電話するとすぐに寝落ちするし、




『涼ちゃんっていつ起きてるの？』


「Aといるときは起きてるでしょ？」




確かに…と思わず頷きそうになった、じゃなくて！授業中起きててください！




『隣の席なんだから、起きててよ』


「…はしもっちゃん今年も授業中寝てるの？」


『そうだよ、ペア学習の時しか起きててくれない！』




なんの偶然か、涼ちゃんと同じクラスになるのは私と瑞稀で交互に。


去年は瑞稀が涼ちゃんと同じクラスで、今年は私。


兄妹…だから、私と瑞稀が同じクラスになることは無い。


十二年間の内、一回くらい三人で同じクラスが良かった！




「はしもっちゃん、あんまAのこと困らせないでよね？」


「…はーい、がんばりマス」




何気なく発した瑞稀の言葉にいちいちキュンとするのも、そろそろやめたい。




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