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壱馬「Aさん、最後の患者さんは話長いから隣座ってて」
「え、となり…ですか?」
壱馬「うん。後でカルテ書くのに内容忘れちゃいそうだから一緒に話聞いてて」笑
ぽんぽんと、隣の椅子を叩いて
そこに導かれるように腰を下ろすと
壱馬先生は満足そうにパソコンに視線を戻した。
本当に良いのか、と躊躇いつつも
患者さんに向き合う壱馬先生の後頭部を
ぼーっと見つめていた。
壱馬「じゃぁ次は3ヶ月後で。予約表と処方箋も今渡しますね。お大事に〜」
「......ぁ、おだいじに..」
長いと言われていた診察は気付けば終わっていて
慌てて立ち上がって、診察室の扉を開けて
最後の患者さんを見送った。
「先生すいません。お渡しまでしていただいて」
壱馬「Aさんもあの人に捕まると長くなるからね。全然大丈夫だよ」
「ありがとうございました。先生お疲れ様でした」
片付けをしようとすると、壱馬先生に引き止められた。
壱馬「ありがとう。Aさん、そこの椅子座っていいからこの体温計使ってみてくれへん?患者さんに壊れてるかもって言われて」
「あ、はい。わかりました」
診察が終わって関西弁に戻った壱馬先生に声を掛けられて
患者さん用の椅子に腰掛けて
言われた通り体温計を受け取り脇に挟んだ。
Pipipipi______
壱馬「何度やった?」
「37.6度です。この体温計壊れてますね」
壱馬「壊れてるかもってのはウソ。やっぱりAさん熱ある。身体熱いもん」
不意に壱馬先生の手が伸びてきて
手の甲が首にピタっと当てられた。
冷たくて気持ちいい……
じゃなくて、
今置かれている状況を理解した途端に
顔が一気に赤く染まった。
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なんなん(プロフ) - 素敵なお話ありがとうございます! (2020年9月28日 0時) (レス) id: c39d756b20 (このIDを非表示/違反報告)
ぬこ(プロフ) - お医者さん甘々過ぎませんか?!めちゃくちゃ好きです... (2020年3月30日 9時) (レス) id: c8edbc60b6 (このIDを非表示/違反報告)
るぴ(プロフ) - このシリーズめちゃめちゃ好きです、、何回も読んでしまいます…! (2020年2月11日 4時) (レス) id: f453390bda (このIDを非表示/違反報告)
あらほく(プロフ) - 今回のお話もめっちゃよかったです!!Doctorのネクストめっちゃ好きです!!北人くんの提案なんですが、アレルギー科とかどうでしょうか!!でも個人的には内科の北人くんがいちばん見たいです!! (2020年2月11日 1時) (レス) id: 5f3be8e34d (このIDを非表示/違反報告)
ice(プロフ) - このお話が大好きです!彼女さんが病院で働いてるのに苦手なのもキュンとします!北人くんは天才外科医とかどうですか??心臓外科医とかでも素敵だと思います!偉そうにすみません、、 (2020年2月10日 22時) (レス) id: 1955346fe9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みやあ | 作成日時:2020年2月3日 20時