Team Doctor -RMPG-【2】

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外来終了後

一人診察室に残ってカルテの入力をしていると

遠慮がちに扉が開いて

強張った顔のAが姿を見せた。


実を言うと、Aは

今日は診察室に来てくれないのでは、と思っていた。


歯科治療恐怖症のAが

一人で診察室に来れたことに成長を感じた。




北人「お疲れさま。今日の仕事は終わった？」


「うん。終わらせた....北ちゃんもおつかれさま..」


緊張でガチガチのAの荷物を受け取って

そのままチェアーに座るように誘導した。



北人「レントゲンも撮ってくれてたね。後で一緒に見よう。その前にお口の中診せてね」


「診るだけ....?」


北人「うん。約束する。この器具とミラーだけしか使わない」


基本セットから2本だけ取り出して

Aの目の前に差し出して見せた。


「痛くない？」


北人「痛くないよ。Aはお口開けるだけ」





北人「イス倒すよ。そのまま背中つけて楽にしてて」


声を掛けながら手袋をはめてチェアを倒した。


仰向けになったAはキョロキョロと周りを見渡しては

唇を噛んで恐怖と闘おうとしている。



北人「ライトつけると眩しいから目閉じとこうね」


光を遮断するように掌をそっと目の上に乗せると

言った通りに目をギュッと瞑った。




北人「お口あーって開けようか。すぐに終わるからね」


頬をツンツンと突いて促すと

指二本分も入らない程度の隙間が出来た。


「ぁー....」


北人「Aもう少しだけ開けれる？あーって....そうそのままね」


せっかく開いた口が閉じないように

親指と人差し指を上下の歯に当てて開口したまま固定して

もう片方の手で器具を掴んだ。


北人「すぐに終わるからね。そのまま頑張ろう」

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