episode 3 ページ4
学校から借りた卓球ラケットを持ってその場に立ち尽くしていた。
今この場にいるのは、話したことのないような人ばかり。
かと言って“一緒にやろう”と言う勇気もない。
誰とやるべきか、いや誰か声を掛けてくれないかと期待していた。
その時だった。
周りをキョロキョロしていた私と、
偶然というべきか彼は1人で卓球台の前に立っていた。
その場には彼と仲の良い人もいたのに。
・
彼は、奏は。
私に向かって手招きをした。
一瞬、別の人を呼んでいるのか、そう思った程の驚きだった。
念のため、私は自分を人差し指で指して、彼に確認を取った。
間違えたら恥ずかしいし。
そう確認を取ると、奏は私の目を見て大きく頷いた。
まるで“そうだよ”と言うかのように。
嬉しくて嬉しくて泣きそうだった。その頃はまだ、“気になる”の段階だった。
ずるいよ。気になり始めている男子にこんなことされたら好きになっちゃうじゃん。
ドキドキする心臓を押させつつ、誘われた通りに私は彼と卓球を始めた。
このまま時が止まればいい。そう思う程幸せだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 4人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はる@四季(プロフ) - 美杏さん» ありがとうございます！ (2022年12月4日 15時) (
レス) id: 17e09ea40f (このIDを非表示/違反報告)
美杏(プロフ) - とってもいいお話でした!! (2022年12月4日 15時) (レス) @page7 id: c93d6a5810 (このIDを非表示/違反報告)
はる@四季(プロフ) - 光さん» 良いですよ、何という作品でしょうか？ (2022年11月3日 17時) (レス) id: 17e09ea40f (このIDを非表示/違反報告)
光 - 凄い(語彙力何処行った？)、あっあと自分の作品見てくださ((殴 (2022年11月3日 17時) (レス) id: 4568932e49 (このIDを非表示/違反報告)
はる@四季 - 蜜柑雲さん» ありがとうございます！ (2022年10月22日 11時) (レス) id: 17e09ea40f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
