第54話 ページ28
『……え、これ、は…』
テーマが大切なもの。
そこに飾られているのは私の写真。
言葉が出てこない。
待って、何これ、なんか
(あっっつ……)
「はは、顔真っ赤だな。」
『っいや、だってこれ…!!』
「あの日のAの顔が…ずっと忘れられなくてな。」
そう言って笑う臣さんの顔も少し赤い。
取り敢えずここは展示会の会場であとがつっかえるとまずいので大学内の喫茶店のような所に移動する。
少しの沈黙の後、臣さんがゆっくりと話し始める。
「実はあの写真、展示会に出すかすごく迷ったんだ。」
「俺にとっての“大切なもの”って何だろうって思った時、芝居や親友、劇団の事も浮かんで…どれを撮るべきか、何を撮ろうかすごく迷った。」
「俺にとってはどれも大切で、一つには選べなくて。」
「そうやって悩んでる時に写真部の後輩に言われたんだよ。【伏見さんがその中で守りたいものにすればいいじゃないですか】って。」
「そう言われた瞬間、頭に残ったのは……」
『も、もう、いいです…!!』
この先なんて聞かなくても分かる。
あの場に私の写真があったということは、つまりそういう事だろう。
自分が思ってる以上に愛されていることを実感して胸が苦しい。恥ずかしいけど嬉しい。心臓が破裂してしまいそう。
「本当は許可を取るべきだったんだが…なかなか言い出せなくて…ごめんな。」
『っだ、大丈夫、です……』
こういう時、何を言えばいいんだろう。
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ちゃらんぽらん(プロフ) - Rioさん» わぁ、コメントありがとうございます!時間が出来た時にちまちまと更新していきますね! (2019年12月23日 6時) (レス) id: 72997b1d17 (このIDを非表示/違反報告)
Rio(プロフ) - 更新ありがとうございます!楽しみに待っておりました!!無理のない程度で更新を続けてくださると読者の1人としては嬉しいです! (2019年12月22日 22時) (レス) id: fbc4560f6b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゃらんぽらん | 作成日時:2019年12月16日 6時