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ふっと、静かに笑うローレンはなんだかご満悦そうな笑みを浮かべていて、急に恥ずかしくり逸らそうとするが包んでいる両手がしっかりと支えていた。
じとりと下から睨みつけるように彼を見ると、楽しそうに瞳が弧を描いていた。
「あそこまで言ってまだ気付かん？」
「何が…」
「なあ、Aは俺になんか言うことないん？」
そうして両手をぐりぐりと動かして頬を楽しんだのち、ぐっと顔を寄せてくる。あまりの近さに顔を逸らしそうになるが彼の手がそれを許すはずもなく、ただ受け入れるしかなかった。
「思い出してみ？泣き虫で、綺麗めで、甘えたがりの天邪鬼なギャップ持ちなんか他に誰がおる？」
「しっ…らないよ、そんなの！」
「今もなんだけど」
へらりと笑うローレンの顔はまるで幸せに満ちていて、見たくないけれど思わず釘付けになった。
「ローレンはずるいよ、好きな人以外にそんな顔みせるの？私なら嫉妬で気が狂いそう」
「なってよ」
「え」
一瞬、言葉が理解できなかった。同じ日本語を話しているはずなのに、私の脳内は違う言語に変えるのに必死だった。聞き間違いなのではないかと。
だってそんなはずはない。今のは私の都合の良い幻聴だ。私はただ、人たらしも程々にしろと注意しただけ。
「まさかとは思ってたけど、いつになったら気付いてくれるん？」
「どういう意味…？」
頬を包んでいた手が、ぐっと両脇に差し込まれそのまま力強く抱き寄せられた。突然の力に対処できなかった私は、そのままローレンの胸に身体を預けただ呆然としていた。
またふっと優しく笑った彼が、ぎゅうと私を強く抱きしめた。
「こんなにも女の子やのに、お前は強すぎる」
意味がわからなくて、ローレンの腕に抱かれながらバタバタともがいてみる。こんなの恥ずかしすぎる。女友達にすることでもない。そんな私を気にも留めず、ただ力強く抱き締める。
「本当はAから言ってほしかったんやけど、そんなに泣かれちゃ俺も耐えられんて」
「ね、さっきから何言って…「好き」
「…は？」
今度こそ本当に私の幻聴かもしれない。だってそんなはずはない。ローレンが私を好きなんてあり得ないと、そっと彼の顔を盗み見るとそれは真っ赤で。抱き寄せられたことで近い心臓は私と同じくらい早鐘を打っていた。
「泣かせるくらいなら、もっと早く言えばよかった。ごめんな」
ぼろぼろととめどなく溢れる涙を拭うのはいつだってローレンの手だった。
「Aが好きだ」
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まつりか(プロフ) - はなさん» コメント本当に励みになります！ありがとうございます！私も2人の気持ちが通じて嬉しいので存分にイチャイチャさせるつもりです！まだまだ続くので、良ければそのまま読んでいただけたら幸いです！ (3月20日 12時) (
レス) id: b15522b6ae (このIDを非表示/違反報告)
はな - 素敵なお話、いつも楽しく読んでいます！ついにlrnが気持ちを伝えましたね。2人の関係にヤキモキしながらきゅんきゅんしていましたが、やっと通じてうれしいです！これからはお互いに気持ちをオープンにできるといいな。 (3月19日 16時) (レス) id: 688b0f975d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まつりか | 作成日時：2024年3月10日 13時
