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落ち込んでいるとも言えない。ただ、空を見つめてこぼしたその言葉の重さ。励ましの言葉ももしかしたら傷付けるだけかもしれないし、優勝できたかもしれない強かったチームなのだということは本人が1番よくわかっているはずだ。
「悔しいわ」
へらっと笑ってみせてくれたが、どこか辛そうに歪んでいる。私が泣きそうになってしまうけれど、ずっと伝えたかった言葉がある。最後の一口を飲み込みパチリと箸を置き、まっすぐにローレンを捉えた。
「そうだね、悔しいと思う。けど、カッコよかったよ。すごく」
目を点にした直後、また表情を歪めて私から視線を逸らす。俯きがちに揺れる瞳を、彼の長いまつ毛が隠してしまった。ぐっと眉間にしわが寄っている。
「勝てなかったのにどこがカッコいいんだよ…」
正面から移動して、ソファを背もたれにしているローレンの隣に腰をおろす。強く握られた拳の上に、自分の手のひらを重ねる。
「勝つからカッコいいんじゃないよ。そうやって全力で悔しがれるくらい練習して、リーダーとしてチームを引っ張って、一生懸命だった姿がカッコいいんだよ」
「…っ！」
ばっと顔を上げたローレンと視線が再び絡み合う。お疲れさまと言おうとしたその時、肩に倒れ込んできたローレンの頭。びっくりして肩をもぞもぞ揺らすと、より強く擦り付けるようにして追いかけてくる。
「ちょっとローレン」
くすぐったくて身体の側面をぽんぽんと叩くが、唸るだけで一向に退こうとしない。耳のすぐ下から声の振動がゾワゾワと首筋を駆ける。諦めて叩くのをやめてしばらく好きにさせていると、「さんきゅ」と本当に小さく呟いた。
少しでも気持ちを和らげることはできただろうか。リーダーという重い責任から心を解放することは完全にはできないだろうけど、この悔しさを糧に活躍するローレンの姿を何より心待ちにしている。
しかし、そろそろ離れてほしい。子供みたいで可愛いけれどさっきから心臓がうるさい。もう満足しただろうと勝手に判断し離れようとすると、ぐいっと迫ってきた勢いにびっくりしてそのまま身体を倒してしまった。
支えをなくしたローレンも一緒に倒れ込んできたが、依然として肩に、というより首筋に顔を埋めている。
「うわっ、ちょっと…！」
「なんか…」
スンスンと鼻を鳴らしては首元を嗅ぎまわるようにあちこち鼻を移動させている。ぴたりと止まって深く息を吸い込むと、はあっと吐いた息が耳にかかって、甘い痺れからびくっと震える。
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まつりか(プロフ) - はなさん» コメント本当に励みになります！ありがとうございます！私も2人の気持ちが通じて嬉しいので存分にイチャイチャさせるつもりです！まだまだ続くので、良ければそのまま読んでいただけたら幸いです！ (3月20日 12時) (
レス) id: b15522b6ae (このIDを非表示/違反報告)
はな - 素敵なお話、いつも楽しく読んでいます！ついにlrnが気持ちを伝えましたね。2人の関係にヤキモキしながらきゅんきゅんしていましたが、やっと通じてうれしいです！これからはお互いに気持ちをオープンにできるといいな。 (3月19日 16時) (レス) id: 688b0f975d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まつりか | 作成日時：2024年3月10日 13時
