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名前を呼ばれた瞬間、まるで金縛りにあったかのように動けなくなった。警察に連絡をしようとスマホの画面を見ていた視線が動かせない。緊張か、はたまた恐怖か。ドッ、ドッと早鐘を打つ心臓の音がやけに耳につく。意識がぐらぐらと遠のくような感覚がする。
どうして私の本名を知っているのか。限られた人しか知る由もないのに。学生時代の同級生？それとも元メンバーたちかガチでやばいストーカー…。え、これストーカーだった場合わたし今から刺されたりする？やばくない？
どうしよう、どうしたら。得体の知れない恐怖。普段から鍛えてはいるし、幼い頃に柔道や空手も習ったがそれは今では使い物にならない。対人のためのスキルなんか何も持っていない。
じゃり…と靴がアスファルトを踏み締める音が近寄ってくる。終わった。逃げようにも恐怖で足がすくんで動けない。視界の端にストーカーの靴が見えた。終わった。もうダメだ。
「A？」
私の視界に映るようにぐっと下から覗き込んできたその人物の顔を視認した瞬間、私の腰は使い物にならなくなった。へなへなとその場に座り込み、前方にみえる身体の前に垂れた赤い髪にひどく安心感を覚えた。
「えなに、どした。大丈夫？」
聞き覚えのありすぎる低音。差し出された手を辿りながら視線を上げていくと、きょとんと驚いた表情を見せるローレン。
「ろれ…」
「うん？」
「おま…！不審者かと思ったじゃんかーーーっむぐ！」
「しーっ！バカお前！今何時だと思ってんだよ！」
叫ぼうとして私の口元に彼の片手がぐっと当てられる。さすが警備隊、判断が早い。呼吸しやすいように鼻も避けてある。
「ごめん」
と口を動かすと、手がそっと離れていった。なぜか妙な無言の空間が流れることに耐えきれず、思い出したように声を上げた。
「ねえ、俺の家の前で何してたの？」
「あ〜、差し入れ的な？」
「差し入れ？」
「ほら、最近のAめっちゃ忙しそうだから」
「連絡くれればよかったのに」
「うん、だからしたんだけど」
「嘘、気づかなかったごめん」
ふとスマホを見ると、今更だが確かにローレンから連絡が来ていた。通知から見える範囲だと「お疲れ！玄関前に俺から…」で途切れていたがきっとこれが差し入れのことなのだろう。
「本当だ、ローレンありがとう…ってこれ今じゃねえか！」
「ｷﾞｬﾊｯ！ま、頑張りすぎんなよ？」
「うん」
「…じゃあ俺は帰るな」
「待って」
「どした」
「腰抜けて立てない」
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まつりか(プロフ) - ひかりさん» ひえ、生きがいにしてくださっているなんてお世辞でも私には過分なお言葉です…！ありがとうございます！捻り出して続き書きます！ (2月18日 7時) (
レス) id: b15522b6ae (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - 更新ありがとうございます🩷今の私の生きがいです！これからの展開予想でドキドキしちゃいますね！応援してます(^^) (2月17日 22時) (レス) id: 066d5681b9 (このIDを非表示/違反報告)
まつりか(プロフ) - ひかりさん» コメントありがとうございます〜〜〜！自己満足で書いているものですが、そう言っていただけてとても嬉しいです！やっと続きを思いついたので、またぼちぼち更新していく予定です！ (2月15日 11時) (レス) id: b15522b6ae (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - 最高です！優しい推しの姿想像してドキドキしちゃいました。続き楽しみにしています! (2月15日 0時) (レス) @page35 id: 066d5681b9 (このIDを非表示/違反報告)
まつりか(プロフ) - あーこっとさん» こちらこそ読んでくださってありがとうございます！コメントまでしていただいてとても嬉しいです！感謝です！ (10月9日 12時) (レス) id: 117b51e2b8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まつりか | 作成日時：2023年10月8日 9時
