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「え」と小さく声を出しだのはひばだったかもしれない。確認するよりも先にローレンが目の前に立ちはだかる。
私自身、泣いてしまったことに驚愕していると伸びてきた手が涙を優しく払った。
「悪い、勧誘すんの遅すぎたわ」
ふざけているときとも、オフで会っているときとも違う聞いたことのない優しい声音だった。低く落ち着かせるように紡がれたその音に安心して、堰を切ったように目から次々に雫がこぼれだす。
「イブ、そこのティッシュとって」
「ティッシュだと目痛くならん？タオルないの？」
「タオルそこ〜〜！」
大声でティッシュは嫌〜！と泣きながらに言うと私以外の4人からは笑い声がこぼれた。ちくしょう、こうなったらもう恥ずかしいとかどうでもいいから思い切り泣いてやる。
「遅いんだよバカーー！俺がどれだけ待ったと！！」
「そうやんな？ごめんな、りんりん」
「めっちゃ泣いてる！」
「遅くなったの半分はお前のせいだけどな」
「なんでよ〜！俺悪くないもん！」
「スケジュールは合わなかったよね」
「それはごめん〜〜〜！」
持ってきてもらったタオルで涙を拭いながらえぐえぐと話し続けていると、何故かローレンにタオルを回収された。
「あんま擦るとタオルでも目痛くするぞ」
「オカンか」
「なんかロレさんめっちゃ優しい！」
赤くなってないか？と目の下を乾燥して乾いた指がなぞっていく。反射で瞑ってしまった目をそっと開くと、心配そうに覗き込むローレンの顔がドアップで視界にうつる。
鼻にはふわりとシトラスの香りが吹き抜け、その距離の近さに恥ずかしくなってしまう。おかしい、いつももっと近いだろうに。ローレンとはなかなかの距離感バグを起こしていた自覚はある。
お互いより掛かるのはしょっちゅうだし、これ食べてみ？と手ずから一口を共有したり、スマホの画面も一緒に覗き込んだりしている。
だから今更照れるような距離ではないのに、決定的にいつもと違う彼のその表情に身体の下の方からぶわっと込み上げてきた謎の感情。
それは全体に行き渡って、私の顔を真っ赤に染め上げた。
「泣きすぎて顔赤くなってるやん」
と勘違いしていく面々に良かったと安堵する。タオルを強奪して、隠すように顔を覆う。無理だ、こんなの。あんな優しい顔をするローレンを私は知らない。
ふっと息を吐き出すように笑う声に、タオルから目だけを出す。
「ドラマー決定でいい？」
「よろしくお願いします」
小さく返事をした。
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まつりか(プロフ) - ひかりさん» ひえ、生きがいにしてくださっているなんてお世辞でも私には過分なお言葉です…！ありがとうございます！捻り出して続き書きます！ (2月18日 7時) (
レス) id: b15522b6ae (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - 更新ありがとうございます🩷今の私の生きがいです！これからの展開予想でドキドキしちゃいますね！応援してます(^^) (2月17日 22時) (レス) id: 066d5681b9 (このIDを非表示/違反報告)
まつりか(プロフ) - ひかりさん» コメントありがとうございます〜〜〜！自己満足で書いているものですが、そう言っていただけてとても嬉しいです！やっと続きを思いついたので、またぼちぼち更新していく予定です！ (2月15日 11時) (レス) id: b15522b6ae (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - 最高です！優しい推しの姿想像してドキドキしちゃいました。続き楽しみにしています! (2月15日 0時) (レス) @page35 id: 066d5681b9 (このIDを非表示/違反報告)
まつりか(プロフ) - あーこっとさん» こちらこそ読んでくださってありがとうございます！コメントまでしていただいてとても嬉しいです！感謝です！ (10月9日 12時) (レス) id: 117b51e2b8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まつりか | 作成日時：2023年10月8日 9時
