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「はーっはっはっはっ」

伊沢の盛大な笑い声が執務室へと響いた。
その声の出所はこの執務室ではない。少し離れた会議室だ。その会議室で伊沢は今、週刊誌の取材を受けている。

遡ること3分前
「伊沢にとうとう熱愛報道ぉ!?」
須貝さんがバカでかい声で叫ぶ。
「いや、伊沢最近やたら忙しくて彼女いる様子なかったんですけどね。」
おかげで僕も忙しかったんですけど、とボヤく

「えー、でも週刊誌の取材ってなんだろ、こうちゃん知ってる?」
「山本さん、なんで俺が知ってると思ったんですか、知ってるわけないでしょ。」
「うん、山本、こうちゃんは明らかに人選ミスだわ。聞くなら福良か僕でしょ。」
「ちょ、河村さんひどくない!?え、ってか河村さん取材の内容知ってるんすか?」
「いや、知らな…」

河村が知らない、と言いかけたところに
「はーっはっはっはっ」
先程の伊沢の盛大な笑い声が響く。

そのツボにハマっているだろう笑い声に5人で顔を見合わせ、執務室のドアの影から各々顔を覗かせる。トーテムポールの様に。

「code:ナイスガイよりcode:神、あの奇妙な笑い声はなんだ、どうぞ」
「こちらcode:神、元々伊沢の笑い声は全て奇妙であります。どうぞ。」

「ちょっと、僕を挟んで中身のない無線ごっこしないでくれる⁉」

「え、福良モールス信号の方がいい?」
「河村さん…そういうことじゃないと思う」
「ねー、僕1番下で重いよー。こうちゃんちょっと太ったんじゃない?」
「山本さん、失礼すぎる!しかも太ってない!」
「あ、伊沢さん出てきたよ」
「山本さん、俺の話聞いてる⁉」
「こうちゃんシッ!」
と河村が口に手を当てこうちゃんを黙らせる。

会議室から記者と伊沢が出てくる。どうやら見送りをするみたいだ。
伊沢はえらく上機嫌な様子。
玄関へと続く廊下を曲がる瞬間、こちらをチラッとみた伊沢がニヤリと笑った様に見えた。

2。→



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作者名:たまちゃん | 作成日時:2020年7月8日 18時

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