月とキミと狼と【吉野北人…】３

☆１３６ ページ38

．






母「ごめんA！近くにカフェある？」


『カフェ？カフェ…あ！あれ？』






お母さん、電車柄降りる時にバタバタしちゃって
わたしに電話をするのを忘れてたらしい。


忘れちゃう意味がわからないけど…笑



カフェにいるって言われたから
その場で立ったままぐるっと回った。


すると、見えたカフェらしき建物の中に、
こっちに大きく手をふるお母さんの姿が見えた。




やめてよ…恥ずかしいから笑笑






店員「いらっしゃいませ〜」


母「あ！娘です、A！！」






入口で店員さんの隣にお母さんがいるのが見えた。


店員さんに、娘です！って言ってる。




ほんとやめてって…恥ずかしいから。。笑






母「A！」






わたしに抱きついて久しぶり！って喜ぶお母さん。
お母さんの柔軟剤のいい匂いがする。


急すぎて驚いたけど、やっぱり会えて嬉しい。






母「ごめんね、急に帰ってちゃって…」


『なんでよ、謝んないで、嬉しいから』


母「会う度に大人になってく…」


『もう、泣かないで、ここ入口だよ？』






お母さんの泣きそうな声にわたしまで
泣きそうになりながら席に向かおうとすると
お母さんがまだ泣きそうな声で言った。






母「今日ね、付き添いできてるの…」






．

☆１３７→←☆１３５

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す