冷たい溺愛カップル【安室透/降谷零】 (ページ13)

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自宅警備12 ページ13

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遠くにサイレンの音が聞こえた気がして、思わず辺りを見渡した。

遥か遠くに見える都市の明かりはきっと普段と変わらない、どこにでもある夜景だ。

「どこに行くの？」

「…相変わらずだな君は」

「えへへ」

愛車の影から出てきた少年、コナン君は子供のように笑う。

「だって安室さん、ずっと何かを警戒してるみたいだったし、そもそもこんな所に来ないでしょ」

暇ってわけじゃなさそうだし、と付け加えてまた笑みを作る。

「分かっているなら話ははやい。僕は、君たちとキャンプにこんな山奥まで来たわけじゃない。なら、もうここから先は」

言葉を区切り、その眼鏡の奥を見つめ返す。

「僕も行くよ」

「今回は君を護りながら出来る仕事じゃないんだ」

「…待って安室さん！」

一瞬、黙り諦めたようにみえたコナン君が鋭く、少し離れたテントで眠る皆に遠慮してか小さく叫んだ。

「何か聞こえない？＿車の下だ！」

「…この音は」

ﾁﾁﾁと間抜けな、動物にしては規則的な音。

「安室さん、何かついてる！時計…爆弾？」

「退いてくれコナン君！」

地面に這いつくばり、覗き込む。

ライトで照らされた先にはｶﾁｶﾁと時を刻む＿

「…なんでここに」

いつの間に、と目を見開く。

「きっとさっきの男達、安室さんが警戒してた奴らの仕業」
「いや、違う」

誰かに連絡しようとする、コナン君の腕を掴んで止めた。

「これはただの目覚まし時計だよ」

「…車の下に？」

「あぁ、まぁ」

そんな馬鹿な、とこちらを見てくるコナン君にどう説明しようかと頭を抱える。

「あれって女物だよね、何か書いてある…」

「と、とりあえずいいから」

襟首を掴み車から遠ざけるも、もう遅かったらしい。

「Aって安室さんの恋人の名前？」

「…読んだのか」

「読んじゃった☆」

これでもかとニヤけているその頬を、今すぐ引っ張りたい衝動に駆られるがなんとか抑える。

「なぁんだ、時々携帯を幸せそうに見てるなと思えば、やっぱりいたんだぁ」

「先に言っておくが、余計な詮索はしないでくれよ。彼女は探られるのが嫌いなんだ、勿論会おうともしないこと」

「僕、会ったことあるよ多分」

「何！？」

「ポアロに時々来てるみたい、梓さんとも親しそうだったし」

もしかして知らなかった？、と何処か面白がるような視線が向けられる。

「"安室透"なのに？」

「……彼女は基本外出しない」

「外に出たらポアロに寄るって言ってたよ」

「………」