閑話:初単独任務 ページ32
真選組。
照明を落とした部屋で男たちが座っている。
真選組局長、近藤勲。
同じく副長、土方十四郎。
一番隊隊長、沖田総悟。
三番隊隊長、斎藤終。
監察、山崎退。
腕組みをして苛立ちを隠さない土方は
息を吸い込んで、反対の声をあげた。
「ぜってぇに認めねぇ。
そんな危険な目に合わせるわけにゃ行かねぇ」
「俺も反対しやすぜ近藤さん。
Aにはまだ早いと思いやす」
「不安な気持ちは分かる。しかしだなぁ…」
彼らは重要な会議の真っ最中であった。
陽が高いうちから始まったそれは
一月ほど前から話し合われている事案で、
一向に進展のないまま今回も日暮れを迎えた。
事の始まりはあるテレビ番組だった。
「可愛い子には旅させろ、って
お妙さんがそう言ってくださってなぁ」
「あんたは殴られて飛ばされてるだけですぜ」
「旅なら、もうかなり自由にしてる気が…」
「うるせぇ山崎」「切腹しろ山崎」
「なんで!?」
確かに、Aがいくら屯所にいるとは言え、
外に自由に出ていることもまた事実。
バレンタインの件然り、数々の可愛い脱走を
半分ほどは認知しても見逃している。
だがこの議題は彼らは見逃せなかった。
[紙に書けばいいZ]
「金勘定もさせるのか」
「Aは賢いですぜィ。この前も一緒に
あんたのマヨネーズにタバスコを均等に計って
ぶちこんだところでさァ」
「御丁寧に使いかけのマヨネーズにも
同じ割合だけ混ぜられてたアレのことかあぁ!!」
[後ろから見てたけど計算速かったZ]
「お前は止めろよおぉ!」
「話がそれてるぞ、落ち着けトシ」
「なに俺のせいなの?俺のせいなの、ねぇ!?」
「では改めて今回の議題を…」
「死ねザキ」「切腹」
「扱い酷くない?!」
極秘会議はまたこっそりと開かれる。
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作者名:梦夜深伽 | 作成日時:2018年3月2日 23時